智にぃのお仕事 3 ページ22
智Side
智「大丈夫だよ。診るだけだからね?
ちょっとだけ頑張ってあ〜んしてみようか。」
優「・・・・・・・看護師さんは・・・・・
いないんですか・・・・・?」
智「へ?・・・・・・・いた方がよかったかな?」
.
予想外の言葉に思わずおかしな声がでてしまった。
看護師さんいた方が安心できたのかな・・・・判断ミスだったかも。
.
優「いや・・・・・・そういうわけじゃなくて・・・・・・
・・・・・あの・・・・・わたし・・・・・」
.
なんだろうと思って次の言葉を待っていると、
優奈ちゃんがゆっくりと話しはじめてくれた。
.
.
優奈ちゃんは小さいころから病院が苦手で、
診察するときは必ず看護師さんに押さえつけられてたらしい。
.
今日も当然のように押さえつけれられると思ってたみたいでさ・・・
だからさっき看護師さんはいないのかって聞いてきたんだって。
.
かわいそうに・・・だからずっとビクビクしてたんだ・・・
.
智「そうだったんだね・・・・。
大丈夫だよ。押さえつけたりなんてしないから。
だって優奈ちゃん、これまでだって上手に診せてくれてたでしょ?
それなら押さえる必要なんてないじゃん。
僕は優奈ちゃんが頑張れるって、ちゃんと知ってるからね。」
.
優「せん・・・・せ・・・・・」
智「ふふっ。
大丈夫? 頑張れそうかな?」
優「・・・・・・・・はい・・・・」
智「よ〜し、じゃあやってみようか。
お口あけてね〜」
.
それから少し時間はかかったものの、
ちゃんと口も開けてくれたし、聴診も抵抗することなく頑張ってくれた。
.
ほら、押さえなくたってちゃんと頑張れるんだよ。
安全に処置をするために押さえることはあるけどさ、
執拗に押さえつけるのはただ恐怖心を植え付けるだけだと思うんだけどなぁ・・・
.
この子も、もし初めからうちの病院来てたら、
ここまで病院嫌いにはならなかったかもしれないね・・・
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
