智にぃのお仕事 2 ページ21
智Side
智「謝らなくていいんだよ?
だいじょうぶ、ゆっくりでいいからね。」
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話を聞かない事にはどうしようもない。
倒れた時の様子は顧問の先生に聞けばわからないこともないけど、
やっぱり本人からの情報がほしいからね。
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智「大丈夫だよ、落ち着いて〜」
いったん優奈ちゃんを落ち着かせながらしばらく待っていると、
ちょっとずつ優奈ちゃんが口を開きだした。
だんだん診察室の雰囲気にも慣れてきたみたい。
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智「・・・・・そっか・・・それは怖かったね。
ちゃんと原因調べていこうね。」
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優奈ちゃんの話によると、
部活で走り込みをしているときに急にクラクラしてきて、
目の前が真っ暗になったと思ったらいつの間にか倒れていた・・・・ということらしい。
症状からして貧血っぽいけど、診てみないと詳しいことはわからないな。
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智「じゃあちょっと診ていくからね〜
ごめんね〜お顔さわるよ〜」
優「んっ!!・・・」
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僕の手が顔に触れた瞬間、
ビクッと体を震わせて顔を背けてしまった優奈ちゃん。
ほんとに病院が怖いんだなぁ。
.
智「ごめんね、びっくりしたね。
ちょっと目診るだけだから、大丈夫だからね〜」
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僕はベッドに寝ている優奈ちゃんの横にイスを持ってきて、
そこに座りながら診察をしていった。
同じ目線になった方が恐怖心も減るだろうから。
上からのぞきこまれてると緊張しちゃうだろうしね。
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智「力抜いててね〜
・・・・は〜い、いいよ〜」
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思った通り、優奈ちゃんの瞼の裏は白くなっていて、
貧血の症状がみられた。
こりゃ採血した方がよさそうだ・・・。
.
僕は看護師に採血の準備をしてもらうように頼むと、
準備が整うまでの間に他の診察をしてしまうことにした。
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智「じゃあ次はお口のなか診させてね〜。
あ〜んってできる?」
優「・・・・・ぃ・・・・・・ゃ・・・・・・」
.
まぁ、そりゃイヤだよね。
でもやっとイヤって言ってくれた。
それまではずっと黙ってるだけだったから。
ちょっとは僕に慣れてくれたってことなのかな。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年4月29日 1時
