6▼猫カフェ ページ7
｢一松くん！行こっ｣
｢………うん｣
今日は猫カフェの日。
昨日､一松くんと約束をしたのだ。
私がずっと通ってる猫カフェに連れていこうかな。
ワクワクしながら家を出た。
**
｢ん､ここが猫カフェだよ｣
｢………へぇ｣
あ。
一松くん､ちょっと嬉しそう。
内心すごく喜んでるんだと思うけど
あまり表情を表に出さないのが一松くんなんだよね。
……………ん？
何でこんなに一松くんのこと知ってるんだろ。
いや待てよ､おそ松くんのことも……全然知らない！
チョロ松くんだって､カラ松くんだって！
みんな知ってはいるけど一松くんぐらい知らない…。
考え事をしていると､ぐいっと肩が引かれた。
｢…危ない
自転車にぶつかるとこだった｣
｢あ、ごめん
ありがと｣
｢………｣
少しだけ､一松くんにときめいた。
いや、そんなわけ！と
ぶんぶん首を振って､猫カフェに入った。
｢あら、Aちゃん
いやっしゃい！……今日は男の子と来てるじゃない！｣
｢あ！おばさん！こんにちはっ！
マロンちゃん、元気にしてる？｣
｢えぇ｣
私はこのお店の常連客。
一週間に一回は通っている。
…一松くんはもう猫と遊んでいた。
｢一松くーん……
なにか飲みたいもの、ある？｣
｢なんでもいい｣
猫に釘付けで､私には見向きもしない。
どんだけ猫が好きなんだよ。
すると､ぴょんっと私の膝に猫が乗ってきた。
白猫のマロンちゃんだ。
顎を撫でてやると､ゴロゴロと喉を鳴らした。
｢可愛いね｣
｢にゃーん｣
本当に猫は癒される。
言葉は通じないけど､気持ちはちゃんと分かるし
友達みたいに､裏切ったりしないし。
猫はいいよね。誰にも気を使わなくていいし。
｢……俺もそう思う｣
｢わっ…一松くん｣
｢猫って気を遣わなくていいし
猫が友達の方が楽だし｣
猫が友達…って言うのもどうかと思うんだけど。
一松くん､過去に何かあったのかな。
マロンちゃんを触りながら一松くんと話していた。
｢どう？ここ気に入った？｣
｢……まぁ｣
｢うそ、すごく気に入ったでしょ｣
｢……………｣
｢顔みたらわかるよ｣
そう言うと一松くんは
図星だったようで､顔を赤くして
そっぽを向いてしまった。
_____思ったことを表に出さないのが､君。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：萌花 | 作成日時：2015年11月21日 1時
