3▼六つ子 ページ4
暗い夜道を二人で歩く。
荷物は､男の人が持ってくれていて
少し申し訳ない。
｢あの……お名前はなんて言うんですか？｣
｢……敬語いらない｣
男の人は怪訝そうな顔をして、｢松野一松｣と名乗った。
自分の名前を名乗ると、｢いい名前｣なんて言ってそっぽを向いた。
人を褒める時にそっぽを向く必要あるがあるのか。
｢松野くんは……｣
｢……名前で呼んで｣
｢どうして？｣
｢家に帰ればわかる｣
家に帰ればわかる…。
きっと何か理由があるんだろう。
ゆっくり､世間話をしながら一松くんに付いていった。
***
｢…わお……｣
一松くんの家の前についた。
意外と大きな家で､なんだか騒ぎ声が聞こえる。
……何人家族？
｢入って｣と言われて入ると
そこには同じ顔が五つ。
一松くんが名前で呼んでって言った理由がやっと分かった。
｢こんばんわ
おじゃまします…｣
緑色のパーカーを来た人が
物凄い速さで走ってきて､私の方に手を置いて
｢君！一松に攫われたの?!｣
｢あ、いえ……｣
｢一松テメー!!!いつの間にこの子と…!!!｣
赤いパーカーの人が怒鳴る。
どうやら私と付き合っていると思っているみたいだ。
急いで家に来るまでの経路を説明する。
｢｢｢｢｢はぁぁぁぁぁ?!
親に捨てられたぁ?!｣｣｣｣｣
｢はい……それで､一松くんが私を拾ってくれたわけで……｣
みんな私にずいずい私に顔を近づける。
それに比べて一松くんは､ずっと無反応だ。
そりゃ、拾ってきた張本人たもんね。
｢あら､この子は？｣
お母さんらしき人。
自分の名前と､この家に来た経路を説明する。
するとお母さんらしき人は､笑顔で歓迎してくれた。
｢俺達、六つ子なんだぜ!!!俺は長男のおそ松な!!!｣
赤いパーカーの人は、長男。
｢ﾌｯ……俺は次男のカラ松だ
よろしくな、カラ松girl｣
青いパーカーの人は、次男。
｢僕、三男のチョロ松。よろしくね｣
緑のパーカーの人は、三男。
｢俺、五男の十四松!!!よろしく!!!｣
黄色のパーカーの人は五男。
｢俺､末っ子のトド松。よろしくね｣
ピンクのパーカーの人は末っ子。
と言うことは一松くんは四男か。
｢これから､よろしくお願いします｣
私の､第二の人生が始まる。
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作者名：萌花 | 作成日時：2015年11月21日 1時
