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「せーんぱいっ! って、なんで泣いてるんですか!?」
「あ、うらたくん……。実はさっきつま先を強打したんだよね……」
いつの間にか、私は校門についていたようで。
遠くから、うらたくんの声が聞こえる。
声がする方に振り向けば、
うらたくんは意外と近くに居て。
あーあ、バレちゃった。
なんて心は意外と余裕で。
でも、さすがに理由なんて言えないから適当にごまかす。
素直なうらたくんなら信じてくれる。
そう思ったのに
「…………嘘ですよね?」
「……え?」
「だって先輩、痛いなんて一言も言ったことないし、普通に足地面につけてますし……嘘でしょ?」
うらたくんは洞察力が鋭いらしくて。
あぁ、もう私が砕けてしまえなんて思っちゃって。
うらたくんにチョコレートを投げつけてしまった。
「わっ!?」
それを慌ててキャッチするうらたくん。
言っちゃダメ。
そうは思っても、口は勝手に開いてしまって。
「うらたくんが好きだから泣いてたの。」
「……………………へっ?」
「だーかーらー! うらたくんが、もごっ」
「あぁぁぁぁぁあ!! 聞こえてますから大丈夫ですっ!!」
もう半ばヤケクソになって言うと、顔を真っ赤にしたうらたくんに口をふさがれる。
「……あーあ。俺から言おうと思ってたのに」
「……はひはぁ? (何が?)」
「……好きです、先輩。俺と付き合って下さい」
「……………………好き…………?」
「はい、先輩のことが好きです」
やっと止まった涙も、また溢れてきて。
「……固める必要なかったね」
「じゃあ、先輩溶かしていいですか?」
「お好きにどうぞ」
「っ、先輩……大好き……」
砕けたチョコを固める必要はなくて。
でも、その代わりに
固まった私の心の破片をうらたくんが溶かしてくれて。
あぁ、なんだか不思議な気分。
「……私の方が好きかな」
「俺の方が好きだから!」
関係は変わったのに。
彼は変わらないままみたいです。
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葵香(プロフ) - 星野 詩-Hoshino uta-サブさん» 了解です (2018年2月11日 14時) (レス) id: f27868d81a (このIDを非表示/違反報告)
星野 詩-Hoshino uta-サブ(プロフ) - 葵香さん» 参加者の者です。えっと、企画ホームページが砂糖。さんの方にあるのでそちらにコメントをお願いします。 (2018年2月11日 13時) (レス) id: c511165715 (このIDを非表示/違反報告)
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