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眠り姫と鳴狐 ページ2

ガリガリ


小夜に案内をして貰ってようやく辿り着いた粟田口部屋。
彼にはお礼代わりにとチョコレートを差しあげて別れた。

ふすまを開けた先には、五虎退の虎くんがいて、爪とぎをしていた。
その横で鳴叔父様のお供ちゃんも毛繕いの真っ最中で、鳴叔父様はあたしに気付いてそっと手招きしていた。


鳴「後藤、どうしたの?」

『あの……ちょっと、話したいこと、が……あって。』

「?」


首を傾げる叔父様の元へと行くと、彼の横にいるのが当たり前かのように虎くんが傍らに座り、膝の上にお供ちゃんが座る。

お供ちゃんはよく喋る子だから当たり前だけど、虎くんもちゃんとお座りしてて偉いなあ。
子虎達だった頃から躾が行き届いているのかもしれない。


『あの、ね……薬研と包丁は、もう……知って、る……んだけど……その、あたし……ソハヤさんと……あの、えっと……。』

鳴「……恋仲になったの?」

お供「なんと!それは誠にございますか後藤殿!!」

『ぇ、ぁ、えっと、その……はい///』


そうやってあたしが俯きつつ答えると、突然影が差してきた。
何だろうと思い顔を上げたら、叔父様が突如、あたしを抱きしめていた。

あたしの髪を梳きながら、優しく、けどどこか力強く、あたしを抱きしめていた。


『叔父様……?』

鳴「後藤、ソハヤ様の事が好きなんだね。想いが実ったの?告白されたの?」

『……あたし、その……ひ、ひとめぼれ、だった……んです。』

鳴「うん。……それで?」

『助けて、もらったときに、こう……なんと、言うか……胸が……きゅぅってして。

気が付いたら……好きに、なってて。
それで、今朝……ちゃんと、はっきり聞いたんです。

「落ち着いたら、一緒になろう。」って。……ちゃんとあたしのこと、見てて、くれたんだなって、思ったら……嬉しくて。』

鳴「そっか。後藤はいま、幸せ?」

『っ、はい……!』

鳴「うん。後藤が幸せなら、鳴狐は何も言わない。……良かったね、後藤。」


そっと、小さく笑ったのが見えた。
ああ、あたし。認められたんだ。

そう思ったら、なんだかとっても嬉しくなってきて、抱きしめ返すあたしの頭を、叔父様が優しく撫でてくれた。

お供ちゃんと虎くんも、あたしの報告を聞いて喜んでいる。
他の兄弟には、叔父様が伝えてくれるそうだから、そのままお願いすることにした。

だっていま……とても、眠たいのだもの。

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MAI(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください (2018年3月20日 3時) (レス) id: f659814c99 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年3月1日 14時) (レス) id: 6a75da4a5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:No@h | 作成日時:2018年3月1日 14時

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