問いかけないで、連れ去って。 ページ43
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2番手止まり、適わない。
知ってる。
金の次。
それでもいい。
結局は、ただ利用されてるだけ。
利用されてもいいって、
思っちゃったんだ。
深い深い海の底にいて、もう上がれもないのに、
手を伸ばしても、少しも届かなくて、
苦しいだけの、そんな詰まらない人生。
手を伸ばしてくれて、酸素をくれたのは、
九井くんだった。
一人で本を読んでた、難しい本だった。
かっこいいなぁ、すごいなぁと思った。
話したら案外面倒見が良くて、
優しい人だった。
｢九井くん泣かないでよ、泣かせたってなるじゃん。｣
黒川｢Aが九井泣かせた。｣
半間｢泣かせんなよなぁ。｣
｢えぇえっ、なにそれなにそれ！！
泣かないで〜〜お願い〜〜〜、ごめんってぇ。｣
九井｢っ、俺はさ、｣
｢うん？｣
ぎゅうっ、と九井くんに抱きしめられて、
耳元で声がして、少しくすぐったかった。
背中に腕を回して、
宥めるようにと、背中をとんとんと叩く。
君の声が、鼓膜を刺激するだけで、
君がいるという事実が、
何よりも私を生かしていた。
九井｢Aに普通をあげられないし、
これから先汚いこともっと沢山すると思う。
もしかしたら、人を殺めるかもしんない。
大通りを歩けなくなる、
そんな暗闇を生きる人生になるかもしれない。
俺の隣にいるってことは、そーゆーことになる。
たとえ俺が東卍に戻ったとしても、
また違う奴に狙われて、
今度は本当に殺されるかもしれない、Aが。
そんなの、良くないだろ。｣
私のことを大事にしてくれてる声で、
私のためなんだとわかっていた。
それが嬉しかった。
なにより、さらに君を好きになってしまう、
そんな要因になるんだけどなぁ。
私の何を見てきたの、何年隣にいると思ってるの。
何回、私が連れ去られたと思ってんの。
何回、拉致られたと思ってるの。
｢ダメなんて決めつけないでよ、
九井くんが地獄に行くってなら、
私も地獄に行ってあげる。
けどその後は、九井くんのお手手繋いで、
乾くんの赤音さんのいる、天国に、
私が連れてってあげる！！
聞かないで、何も言わずに、
私の全部をかっさらって！！！！！
九井くんがいるなら、私、それでいーの！！｣
君がいる、君がいた、私がいる、私がいた。
それが、全てなんだよ、九井くん。
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サリー(プロフ) - ココくんが更に好きになりました！！神作品ありがとうございました！！ (2月19日 15時) (
レス) @page50 id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - これ以上のものは読んだ事がないってくらい素敵な作品でした。ありがとうございました。本当に心臓が押しつぶされそうになって見るのやめたくなった時もあったし、面白すぎてニヤニヤしてた時もありました。本当に最高です。これからも陰ながらずっと応援してます。 (2022年7月20日 14時) (レス) @page50 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！神作品読めてホントによかったです！！次の新作も読みたいと思っちゃいましたwwwできればパスワード教えていただけたら嬉しいです！ (2021年11月4日 21時) (レス) id: cefe0dde1a (このIDを非表示/違反報告)
み - もぉ〜ココくんの事一層好きになりました泣ギャグ線高くてこんなに感動する作品初めて出会いました！私の好みドンピシャです♡素敵な作品ありがとうございました。評価1回しか押せないの悲しいくらいです笑 (2021年11月1日 23時) (レス) @page50 id: f6714e7803 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 無茶苦茶キュンキュンしました！ (2021年9月8日 13時) (レス) id: b6073e05a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2021年8月31日 16時
