俺の負けだよ、バカ。 ページ44
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九井 side
負けだ、俺の。
惚れた女が馬鹿だった、それだけだ。
喧嘩で、抗争の中、
後先考えずに来て。
しまいには、壊れたバイクを弁償しろだの。
賭け事とか、何かしらのそーゆーのに、
俺はいつも負けてたなぁ。
あぁ、だからか、だからなのか。
君が、笑う。
｢2番目でも、10番目でも、
1万番目でもいい、九井くんに利用されててもいい、｣
やめてくれ、頼むから。
あの日、交わした言葉を思い出して、
あの日、俺はふられたとも思ったんだ。
これでも、結構頑張った。
｢九井くんからのキス１回、
それだけで私、私の全部あげちゃう！！｣
契約に似たような、子供だましのそんなものをした。
ご主人様とか、言ったあの日、
どんな口実でも作り上げれて、
口から出た嘘を、こぼしていたから。
だめだ、わかってる。
それでも、手に入るのなら。
傷つくのは俺だ。
この腕に収まるのなら。
やめろ。
いつの日か、Aがこぼした、
そんな我儘を真似て言う。
九井｢Aが欲しい。｣
｢うん、あげる。｣
九井｢Aの1番になりたい。｣
｢もうなってる。｣
九井｢俺が幸せにしてやりたい。｣
｢幸せにして？｣
九井｢………………何があっても、
守るから、ずっと隣にいて欲しい。｣
｢何があっても私が守ってあげるから、
守られるから、隣にいるよ。｣
ぎゅうっ、と抱きしめながら、
Aの肩に顔を埋めながら、
そんな言葉しか出てこなかった。
子供が我儘をこぼすような、
そんな、軽いのに重たい言葉だった。
｢九井くん、子供みたい。
本当は強くないのに、弱くなくて、
1人であれやこれや考えちゃって、自己犠牲ばっかで、
頼って欲しいのに、頼ると文句垂らして、
でも何だかんだ、
隣にいてくれるそんな九井くんのこと、
私はね。｣
その先の言葉を、口を塞いで黙らせる、
その文字通りに、
遮った。
頬に手を添えて、離れられないようにと。
唇を押し付けた。
｢抗争の中、キスする人がいますか！！｣
九井｢言ったろ、俺からのキスで、
Aの全部くれるって。｣
｢うっ、言ったけどさぁ！！｣
たかがキス1回で、顔を赤らめて、
そっぽを向くAが、
ひたすらに愛おしかった。
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サリー(プロフ) - ココくんが更に好きになりました！！神作品ありがとうございました！！ (2月19日 15時) (
レス) @page50 id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - これ以上のものは読んだ事がないってくらい素敵な作品でした。ありがとうございました。本当に心臓が押しつぶされそうになって見るのやめたくなった時もあったし、面白すぎてニヤニヤしてた時もありました。本当に最高です。これからも陰ながらずっと応援してます。 (2022年7月20日 14時) (レス) @page50 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！神作品読めてホントによかったです！！次の新作も読みたいと思っちゃいましたwwwできればパスワード教えていただけたら嬉しいです！ (2021年11月4日 21時) (レス) id: cefe0dde1a (このIDを非表示/違反報告)
み - もぉ〜ココくんの事一層好きになりました泣ギャグ線高くてこんなに感動する作品初めて出会いました！私の好みドンピシャです♡素敵な作品ありがとうございました。評価1回しか押せないの悲しいくらいです笑 (2021年11月1日 23時) (レス) @page50 id: f6714e7803 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 無茶苦茶キュンキュンしました！ (2021年9月8日 13時) (レス) id: b6073e05a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2021年8月31日 16時
