いつの日かの約束。* ページ9
「ここはTV局の屋上よ。ずっとぼーっとしてたみたいだけど……」
横に座っていた秋に言われ、軽く頭を揺すってみる。
移動したような記憶ないんだな…。
「ずっと豪炎寺くんの手、握ってたから」
「え、あ？そうなの？……ごめんね、」
修也くんを見れば、それは構わないと笑って見せようとしてくれた修也くん。でも少し、疲れてるのか表情が着いてこない。
「これから、試合が始まるのよ。調子が悪いなら試合に出ないで大人しくしてなさい」
「あ…はい」
肩を落とせば、修也くんが心配するな。と優しく笑って皆と一緒にグランドへ。
雷門のキックオフで始まった試合は、あっという間にエイリア学園のペースへ。
パスを繋いでは奪われて。
「早すぎる…」
秋が横で呟いた。
早……すぎる……？数回、瞬きをしてエイリア学園の動きを見る。
普通だ。
シュートも威力は十分に見えるけど、普通だ。むしろ円堂くんが反応してるくらいなので早すぎるはずはない。
ねえ、どうして。おかしいのは……私？
鬼道さんが、エイリア学園の行動パターンに気付いたようで試合の流れは変わった。はずなのに。
修也くんのファイアトルネードはゴールネットには届かなかった。
「修也くん…？」
次のシュートのチャンス、炎の風見鶏もゴールにはならなかった。
前半終了のホイッスル。皆が戻ってきて、エイリア学園の行動パターンの話をすればそれに気づいていた瞳子監督。
後半はDFもは全面的に前へという指示。
それはどうでもいいんだけれど。近くにあったサッカーボールを持って修也くんへ近付いて。
蹴ろうとした足が、震えた。
だめだこりゃ。
「修也くん」
「……ん？」
振り向いた修也くんに、サッカーボールをお腹へ向けて押し付けた。
びっくりしたような修也くんに、笑いかけて。
「約束したから。ちょっとボールは蹴れなかったけど」
「…約束？」
「エイリア学園との試合、集中出来てないから」
「……っ、」
視線を逸らした修也くんに、ボールを持つ手が震えるのがバレてしまう前に。
「試合が終わったら聞かせて。修也くんの話」
俯いて何も答えてくれないけど、頑張ってと背中を押し出した。
やっぱりボール蹴らないと効果ないのかな。
「貴方、彼から何か聞いてるの？」
「へあ？」
瞳子監督に声をかけられてびっくり。
首を横に振れば、何か探る様な視線がちょっと嫌な気分。
「誰が見たって今の修也くんはいつも通りじゃないですから」
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
