○ラブ・ロマンスには捷すぎた＿＿1 ページ15
「そういえば私子どもの頃は女の子が好きだったんですよね」
「はっ、話の切り出し方がすごく独特ですね！？」
「あはは、ホントよく言われますそれ。なんでっすか？」
秋めく空に朱色や黄金色に染まった葉がよく映える、そんな秋のとある日。私はガーデンテラスでつむぎくんと談笑していた。テーブルには私の頼んだアイスティー、それとつむぎくんの持っていたアルバムが広げられていた。
「いや、この女の子見てたら思い出しちゃって。てかこれ私の好きだった女の子本人っぽいですね」
「そうなんですか？それはすごい偶然ですね……！その、女の子の名前はなんて言うんですか？」
「なつめちゃん。苗字は知らないです、てか私は名前すら教えたことないです」
一瞬つむぎくんが固まったような気がしたが、きっと気のせいだろう。言葉にすると、その当時の記憶もだんだんと蘇ってくる。私はとたんに懐かしくなり、深く考えずに続きを語り始めた。
「私その頃少女漫画読むのにハマってたんですよ。幼い頃に二度三度話しただけの男の子と女の子が、高校生くらいになって再会して恋に落ちるやつが特に好きで……」
「へえ、Aちゃんも少女漫画とか読むんですね？」
「今も結構読みますよ？といってもCCさくらとかセーラームーンとかその辺りですけど」
氷が溶け出して色の薄くなったアイスティーをストローでかき混ぜる。からんからんという軽快な音は、閑散としたテラスによく似合う。
「で、私が好きになったのはなつめちゃんだったんすよ、何故か。どこで知り合ったかとかはあんま覚えてないんですけど、笑顔が素敵な可愛い女の子だったのは覚えてて。……いや、今もっかい会えたら好きになっちゃうな、多分」
私の記憶では、なつめちゃんは正統派の可愛い女の子だった。
いや、正統派というのは少し違ったか。なんだか妙に引き付けられる魅力があって、その瞳の色に子供心ながら痛いほど焦がれてしまったことを、感覚だけでおぼえている。
思えばあれが初恋だったのかもしれない。なるほど、初恋が叶わないとはよく言ったものだ。事実私となつめちゃんは数回会ったっきりでろくに会話もできていなくて、もはや友達だったのかどうかも危うい。きっとあっちも私のことをぼんやりとしか覚えていないだろう。もしかしたら記憶にすらないのかもしれない。
それでも会えたらいいなあ、と思う。あの日止まってしまったラブロマンスが、再び動き出すこともあるかもしれないから。
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月華 - 好きです。失礼しました (2020年9月19日 17時) (
レス) id: 561e3188bf (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - 瀬名さん» ありがとうございます！！！！！これからも精進していきますね！！！！！ (2020年9月10日 20時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名 - 好きです！ (2020年9月7日 23時) (レス) id: 86245055db (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - sakuyah1226さん» わーー！！！！ありがとうございます！！！自己管理も更新もがんばります！！！！！ (2020年9月7日 19時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)
浅ヶ巳 - るるさん» ありがとうございます！！、！これからも更新頑張ります！！！！！ (2020年9月7日 19時) (レス) id: 86116bbd22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅ヶ巳 | 作成日時：2020年8月28日 21時
