命令:学院の魔女を１週間以内に見つけて下さい【月永レオ】

魔女の正体のヒント2＊1 ページ9

＊


静かな部屋には、私と敬人しかいない。


気まずい空気が私達を包み込む。
だから敬人は苦手なんだ…！


「学院の魔女…」



敬人はそう言って机に置いてあるカップを一つとって口に運ぶ。

敬人なら何かしら知っている筈だ。
学院の魔女のこと、一つでもいいから教えて欲しい。


「魔女が退学をする時、レオから連絡が来たんだよね？」

敬人は少しだけ外を眺めると、昔のことを一つ一つ思い出していくように口をゆっくりと開けた。



「確かにあの声は月永の声だ。」

うるさくて少しだけ聞いていて心地の良い、この年にしては高いあの声。

あの声でレオは人々を魅了しているのだ。



「少しだけ疲れ気味だったがな。焦りもあったのだろう。」


はあ、と一つため息をする敬人。

くあ、と欠伸が出そうになる。



真緒は今頃忍に事情徴収をしていることだろう。

昨日から早速いい情報が掴めた。


そして今日、敬人に詳しく情報を聞き出すのだ。






「連絡が来たのはいつ頃か、わかる？」

私がそう問うと、敬人は黙り込んで記憶を漁り始める。

「昨年に掛かってきたことしか分からないな。」



分からないのも当たり前だ。
私だって去年のことなど一切覚えていない。

ましてや電話が掛かってきた日にちなど覚えているわけがない。


「ごめん、ありがとう。」


収穫なしか、

まあ、でも真緒が忍から何かしら情報をゲットしていることだろう。

…と、思いたい。




今日はありがとう、と礼を言おうと立ち上がろうとすると、敬人が口を開いた。



「調べておいてやろう、」




「え、調べるって、」




だから、と少しだけ怒った口調で言う敬人は、多分照れ隠しなのだろう。


「退学するなんて電話、履歴が残っているに決まっているだろう。個人情報だから名前が伏せられているのは仕方ないが時期なら俺にもわかる。」




そう言って少しだけ笑う敬人。

「どうして、急に」



私が素直に思ったことを口にすると敬人は顔が見えないようにと違う方を向く。



「お前が何か調べ物をするなんて、千年に一度くらいだからな、記念にだ。」




深い意味などないからな！と敬人は一言付け足す。



…もう、素直じゃないなぁ、なんて言ったら多分









一時間の、お説教だ。




……

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