隠れたカギは今日も下を向く。 ページ21
＊
？？side
「いやいやまって！今私は魔女の話をしてるの！」
「はあああ！？何言ってんの？」
"頭大丈夫？"
そういう風に桃李君は頬を膨らますとAさんに踵を返してこちらへずんずんとやって来た。
相当ご立腹なのか、ぼくが"どうしたんですか？"と聞いても耳を傾けない。
…いつもなら偉そうな口をききながらも、ちゃんと人の話を聞いてくれる筈なのだが。
「聞いてよ〜Aが、学院の魔女って知ってますか〜？っだって！」
"おっもしろ〜い！"
そう口では言っていても、多分心は笑っていない。
何も考えずに行動していそうな人に限って頭の中は機械の様に常に働いている。
ぼくが笑ってみせると、桃李君は少しだけ驚いた後安心したかのように椅子に深く腰掛けた。
その風貌は流石、未来の生徒会長だななんて1人でに感心してしまう。
「いいの？なんかAが魔女のこと探してるけど」
顔色を伺う様にぼくの顔を覗き込むと、はあ、と溜まりに溜まったであろうため息を零す。
そしてため息をついてから桃李君に向かい合う形で座っているぼくに目線を向けた。
「…トラウマ」
彼がその言葉を口に出した瞬間、それはぼくに向けて言った言葉だとは分からなかった。
というよりも、思わないようにした。
「…トラウマ…？…なんのことでしょうか？」
作った偽物の笑顔を顔に貼ると、それは貼り付いて離れない。
それでも今は偽物の笑顔を貼り付けるしかいい術は見当たらなかった。
「トラウマのこと掘り出そうとしてるんじゃない。」
桃李君がいつもは見せない顔を見せるのは初めてだ。
いつもは愛くるしい誰しもが虜になってしまうような笑顔を振りまいているのに。
…今の顔は普段は見せない真剣な顔。
ぼくが淹れた紅茶を1口飲むと、桃李君はこの無言の空間を打ち破る様に立ち上がった。
…確か、今日の昼休みは生徒会の用事があると言っていた気がする。
書類も何も手をつけない彼だが、生徒会の集まりにはしっかりと出席しているみたいだ。
「桃李君、生徒会の集まりですか？」
ぼくが何気なく普段どうりの言葉を発すると、立ち上がり花壇に沿って校舎に向かおうとしていた彼が足を止めた。
そして、ゆっくりと振り返る。
「"創"がそれでいいなら良いけど。
でも
"あの事"を忘れたフリしてAに偽物の笑顔を向けるのは…」
"それは、間違ってる。"
桃李君のピンク色の髪を、冷たい風がサラリと揺らした。
…
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月2日 10時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
Nanami(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます。 (2017年12月1日 21時) (レス) id: 78d4acc492 (このIDを非表示/違反報告)
鶴夜(プロフ) - こんな作品かけるなんてうらやま…もってもいい作品です！更新頑張ってください！応援しています！あ、Twitterフォロー失礼します！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 4779c44224 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 紅 梅さん» コメントありがとうございます！試聴最高でしたよね！！私は個人的にナイトキラーズの歌がドストライク過ぎて…聞いた瞬間心の中でずっと叫んでました(笑)Knightsの歌い出し、とてもカッコよかったですよね〜！同感です＊＊お話出来てとても嬉しいです！！＊＊ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
ぽんずあめ(プロフ) - 悪魔さん» わ〜！2winkPさん！！私は2winkに一目惚れしてあんスタ始めたので…同じような方がいてとても嬉しいです＊＊夢ノ咲箱推しでもありますけどやっぱり2winkですよね(笑)コメントありがとうございました！お話出来てとても楽しかったです！！ (2017年7月21日 20時) (レス) id: 5610f7d23b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんずあめ | 作成日時：2017年2月19日 22時
