【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、28人目 ページ28

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ー貴女side



きっと、まぶたが閉じる直前に
見えたのは神威だった。
なのに私は眠気に負けて


起きたらそこは宇宙だった。



「…ん…。…え、あれ、えっ!?」



浮いている。落ちてしまう。
そう思って焦って体を揺らすと
それは浮いているのではなく
神威に抱かれているのだと気付いた。

気づいた時には遅かった。


ぐらり、と支えられていた神威の手が離れる。

私は宇宙空間にて、浮いた。



否、落ちた。



「えっ…いやぁぁぁッ!」



頭から落下して果てのない宇宙が見える。
ああ、私は死んでしまうんだと
そう思って咄嗟に目を閉じる。
意味なんて無いと分かっていながらも
本能的に自身を守るように身体を抱く。

怖い。何が怖い?落ちてるのが、死ぬのが


怖い、助けて。



その言葉が通じたように
何かに包まれるような感覚と暖かい温度。

つい寝る前にも感じた感覚に
驚いて目を開く。…そこには斎藤さんの姿。



「…え」



落ちながらも何で彼が
ここに居るのが疑問に思った。
けれどそれを聞く余裕は無かった。

彼は私を守るように抱き締めてくれている。
けれど、どの道二人で落ちてしまう
死んでしまう。
視線をもう上だか下だかわからずに向ける。

近くに見える蒼い星は、地球か。
地球に向かって落ちているんだ。

もう恐怖も無くなった。

死ぬ覚悟もし始めた頃



落下していた筈が急に止まった。


何があったのかと周りを見てみれば
頭上というか足元というか
地球が見える方とは反対方向

宇宙を背景に一つの船があった。

そこの船から縄ばしごが伸びていて
縄ばしごを片手で掴む女の人は
もう片方の手で斎藤さんの脚を掴んでいた。

彼女が掴んでいるから落下は阻止できたらしい

…た、助かった。…いや、でも
女の人じゃ掴んでるのが精一杯じゃ…。



「少し手荒じゃが、我慢するぜよ」


「え、きゃあああぁぁぁっ!?」



そう思った直後、彼女はそう言って
力ずくに斎藤さんの足を上にぶん投げた。
さっきまで落下していたのに
今度は上に上がっていく
…が、またすぐに下へと落下していく感覚。

状況が変わってないんじゃないかと
思ったけれどすぐ下に船の床が見える。

近づく船の床。そしてそこに一人の人
どうやら私達二人をキャッチしようとして
手をこちらに伸ばしながら前に行ったり
後ろに行ったりしていた。

…赤い服を見に纏い、斎藤さんと似たような
ふわふわの茶色い髪、サングラスから除く瞳は


焦りの色を見せていた。

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