【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、29人目 ページ29

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「高すぎじゃアホォォォ!」



急降下しながら焦りの色を見せ
そしてそう叫ぶ彼の元へ落ちるのはすぐだった

彼の元に落ちる寸前に本能的に目を閉じる。
彼の腕に一瞬収まる感覚。

が、すぐにそのまま倒れる感覚がした。



「ぐへっ!」


「きゃっ!!」



急降下する感覚が無くなり、目を開く。
…私と斎藤さんは見事に茶髪の
ふわふわ髪の人を下敷きにしていた。

焦って彼から降りるが、斎藤さんが
全く動いてないのに今になって気づく。



「…斎藤さん?」



呼び掛けても返事は無かった。
下敷きの彼もどうやら斎藤さんに乗られて
動けないらしく恐らく私達を
ぶん投げたであろう女の人の名前を呼んでいた



「陸奥ぅ!し、死んどるんか!?
ワシの上で、し、死ん…」


「煩い、オレンジのもじゃもじゃは
ただ気絶してるだけじゃ。
救護室で少し休ませれば、じき起きる」



女の人は今度は斎藤さんを片手で掴み
肩に乗せると船の中に入ってしまった。
取り残された私はどうすればいいのか
わからずに起き上がった彼を見ると

彼は大きな声で自己紹介をした。



「ワシの名前は、坂本辰馬!
この船で商いをおろろろろろろ」



が、自己紹介の途中で吐き出した。
一通り吐いてから顔色悪いままに
私達が落ちているのが見えて

夜兎族の血の流れる陸奥さんの
力を利用して私達を船の上まで
"軽く"あげて坂本さんが
キャッチする筈だったらしい。



「それがあのバカ陸奥は
手加減せずに投げおぼろろろろろ」


「だ、大丈夫ですか?」


「アハハ…だ、大丈夫じゃ
ちょっと船酔おろろろろろ」



大丈夫では無さそうだった。
どうやら船酔いしやすいらしい。
吐いている坂本さんとは話出来なくなり
困っていると、陸奥さんが奥から戻ってきた。

陸奥さんに事情を話すと
地球まで送り返してくれるらしい。



「大きな怪我も無かった。地球に着くまでには
オレンジのもじゃもじゃも目を覚ますぜよ」


「そうですか、よかったです…。
…あ、あと一応、彼の名前は
斎藤終さんと言うんですけど」


「オレンジのもじゃもじゃ」


「あっ、ハイ、いいですそれで」



呼び方を変える気は無いらしいので
私はそれ以上言うのをやめた。

…地球には、すぐ着くだろうか。

きっと、二人がいなければ今頃死んでいたかな



「あの、本当にありがとうございます。
お二人共、私と彼の命の恩人です」



坂本さんと陸奥さんに
素直にお礼を言って頭を下げると

二人共、優しげな笑みを向けてくれた。

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