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愛着が湧けば湧くほど手放すのが困難になっていく ページ3

〜銀時side〜



別の世界から来たなんて、



普通信じられる話じゃねぇけど、




それしか納得しようがねぇ。




思い起こせば出会った時から色々不自然極まりなかったな。



合点いきすぎて嘘とは思えない。




そうか、家出少女じゃなくて、本当の迷子だったのか。


「....っ」



口を開いたが、思いとどまって言葉を飲み込んだ。



今言わなくていい、無事に万事屋に帰った時、そん時だ、言うなら。


知らない世界に一人で、わけも分からず飛ばされたってのにそんなことも知らずに俺は...





神威は元の世界へ帰らせるっつー条件を出して取引したって言ってたな、なら元の世界に帰れる方法はあるってことか。



なら帰らせねぇとな。




.....帰らせる?





Aを?



そうだ



そしたらもう二度と会えなくなる、






(会えなくなんのか...)



(って何言ってんだ俺、いい加減にしろよ、)



(マジで勘弁してくれって)


「A。」


「は、はい!」

俺が名前を呼ぶと、どこか嬉しそうな表情で返事をしたA。


「釈放されたら、お前の元いた世界に帰る方法、探そうな。絶対ここから出してやるから。」


気持ちが揺らいでしまう前に、と意を決して出した言葉は、


ほんのわずかだが、Aの顔を曇らせた。



そしてぎこちない笑顔と共に、萎れたような返事が返ってきた。




そんな顔されちまったら、



ずっとここに置きたくなるだろーが。



でもお前は、帰らなきゃいけない人間だ。




お前を心配する人がいる、



待ってる人がいる、



そうだろ?




「はい、10分経ちましたぜィ。」


「面会はこれで終わりだ。行くぞA。」


二人の声で我に返ると、Aは既に椅子から立ち上がり、座っている俺を見下ろしていた。


「銀さん、次会う時は、ガラス越しじゃなくなってますよね?」


「....そうだな。」


お互い、いや、神楽と新八も微笑して、ガラスの向こうの三人は退室していった。




「銀さん、いよいよ正念場ですよ、どうします?」


取り残された三人のうち、新八が口を開いた。


「もうこの際、竜胆を捕まえるっつー選択肢は捨てるぞ。闇雲にアイツを探しても時間の無駄だ。

とりあえず他の証拠探し、事件現場行くぞ。」


「はい!」「おうヨ!」

意気込んだ返事が部屋に響いた。





それから外に出ると、さっきまでガラスの向こうにいた一人の野郎が俺達を待ち伏せしていた。



「現場まで徒歩で行く気かよ貧乏稼業。」

綺麗なものはどんな時でも無条件に見とれてしまうもの→←心のどこかに芽生えた思いは他の思いを摘むこともある



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紅狼 - とても良い作品でした!!続きがめちゃ気になります!!更新頑張ってください!応援してます!!!!!! (1月8日 1時) (レス) @page50 id: c1d0e4500e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - ストーリーがすごく好きです!!続きが楽しみです。 (2023年3月30日 21時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ - 言葉が出ないくらいすごい作品でした!!!続き楽しみにしています! (2022年1月14日 17時) (レス) id: 5ed45ad072 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - この作品大好きです! (2021年2月5日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
みっかぼーず(プロフ) - すごく面白かったです!!ストーリーが良く作り込まれていて尊敬します (2020年4月19日 0時) (レス) id: 90b29dc37c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年10月1日 3時

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