第五十三幕 一番街に行く ページ7
「それともどっかいくー？いいねぇそれも。
僕と一緒に遊ぼうよ〜」
品を感じさせない下びた話し方。
下心のある不気味な笑顔。
そのしつこいナンパにカナは露骨に表情を歪ませた。
男の懐からスルリと抜け、ゆらの手を引く。
「いこう…ゆらちゃん、お姉ちゃ…」
「遊び？遊びは好きだよ、何するの？」
「お姉ちゃんんんん！？」
相手は大人。
遊びの意味が別であることは、いくら何でもわかるはず。
姉はそれほどまでに脳内お花畑なのかとショックを受けるカナ。
だが、そうではなかった。
「…私はお友達になりたいと思う人と遊びたいの…でもそっちは違うみたいだね。
私たちを帰してくれない？」
気づいた時には複数のホスト男性達に囲まれていた。
ゆらは咄嗟に腕を前に出し、カナを守るような体勢をとる。
「二人とも、下がって…」
「ゆらちゃん…？」
男達のニヤニヤした顔、笑い声が段々と異質なものに変化していく。
「つれなくすんなよ仔猫ちゃん。
あんたら三代目の知り合いだろ…。
夜は長いぜ、骨になるまでしゃぶらせてくれよぉ♡」
金髪の髪を掻き分けると、その下には鼠の顔になっていた。
化物を見てカナは大きな悲鳴をあげる。
彼女達はそのまま路地裏まで追い込まれてしまっていた。
後ろには高いコンクリートの壁があり、逃げ場などない。
それどころか、壁面に仲間だと思われる鼠の妖怪が次々と這い寄ってきた。
「なにこれ…？ゆらちゃん…」
怯えた表情でカナはゆらの肩を掴んだ。
ゆらの横に立つAも危機感を感じているのか表情が強張る。
「妖怪変化…昼間…説明した通りよ。
こいつらは獣の妖怪。」
�狠寮�はあっても理性はない��
�狎簑亢瓩鼎い舛礇瀬瓠牒�
ゆらの言葉を思い出し、軽い舌打ちをするA。
またソラを置いてきてしまったため、この子たちを守る術がない。
この現状で助かる方法を必死に考えていた。
「ふふ…まさに袋の鼠ってやつだね。
「何笑ってんだこのアマァ？」
妖怪に屈してはならない。
畏れてしまえば、それは人間にとって生きることを諦めたことになる。
何も動けず、ただ強いものに喰われる運命を待つしかないからだ。
「私の知り合いにね。
怒るとものすごく怖い犬がいてさ…
私が傷ついたって騒ぐと、あんた達噛みつかれるだけじゃ済まないかもね(自分も)」
何でもよかった。
時間稼ぎをして助けが来るのを待つ。
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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください！ (2021年5月15日 22時) (
レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです！色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい！p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます！とても励みになります( ；∀；)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンティー | 作成日時：2020年5月28日 19時
