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第五十二幕 ページ6

「まったく…ワシを見習わんかい。
たかが陰陽師の小娘一人に大慌てしおって…
ワシなんか大昔は陰陽師の本家に行って帰ってきたこともあったぞ。」


「さすがにそれは総大将しか出来ません。」


奴良組はすっかり疲弊しており、一まず陰陽師騒動は収まった。
だが、彼らにはまだやるべきことがある。


「よし!今度はAのやつをシバきにいくぞ!
リクオ様あやつは何処(いずこ)に…」

そうだ、奴に報復せねばと次々に立ち上がる妖怪たち。

毛倡妓にうちわで仰いでもらっているリクオは疲れた顔で彼らに告げる。

「姉ちゃんなら、カナちゃんを家まで送りに行ったからしばらく帰ってこないよ…」

「なんですと!Aのやつ逃げやがったな!!」

やいやいと再び騒ぎだす付喪神の妖怪。
ようやく平穏が戻ったかと思えば、姉の不始末な結果はいつもこうなる。
リクオは小さな溜め息をつく。

(姉ちゃん、いつ帰ってくるんだろう…またソラに黙って行っちゃったけど…。)

しかし、彼は部屋で健やかに寝ている。
リクオが起こしに行けば、彼の逆鱗に触れることは明白なので伝えようにもいけない。

姉が早く帰ってくるのを祈るのみだが、真っ直ぐに帰ってこれないのがAだ。

(仕方ない…あとで迎えに行こう。)

今は疲れた身体を休め、リクオは考えることをやめた。

・・・

「ゆーらちゃん。
家まで送るよ!」

「いこっ
どこ住んでるの?
一人暮らしだよね?」

「お姉さん…と家長さん?」

ゆらがホストとと思われる男性に絡まれているところを目撃し、二人は割ってはいる。

彼女たちは、浮世絵町の一番街にいた。

そこは色鮮やかなネオンの光が点々としている街。
お子様には不似合いな色艶めく、夜の雰囲気に包まれていた。


「私って…まだ修行が足りひんわ…本当にいると思ったのに、奴良くん失礼なことしてもーた」


「…まあリクオは優しいし、許してくれるよ。」

(実際間違っちゃいないしね〜)


カナは二人の会話を黙って聞く。
突如、白い袖が視界に入り込む。

三人の後ろには白いホスト衣装を着た金髪の男が立っていた。

「うわ、女の子が落ち込んでるよ〜。
ひーろった、オレの店まで持って帰っちゃおーと。」

所謂ナンパというやつだ。
毳々(けばけば)しい身形をした男は彼女達との距離を一気に縮める。

第五十三幕 一番街に行く→←第五十一幕



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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください! (2021年5月15日 22時) (レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです!色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい!p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とても励みになります( ;∀;)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね! (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンティー | 作成日時:2020年5月28日 19時

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