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第五十九幕 ページ13

「ハハハ!!それは美しい自己犠牲だなぁ。
だか妙だ、相手に条件をあげるならばこちらの要求に沿って行うのが普通だ。

これは立派な取引きだろう?
そちらの一方的な条件ではオレたちの賛同を得られないとは思わなかったのか?」


「意外に鋭いね。
これは三代目も関係ない、私達の一対一の取り引き。
確かに、あなたの意見を無視した条件だし乗ってくれないと私も困る。

けれど私達は弱いから何の抵抗もできない。
そこは最期の願いとして受け入れてよ。
人は一分一秒でも生き延びていたいものよ。」

彼女はあっさりと弱気に出て、懇願までしはじめる。
しかし、まだ余裕のある表情をしており焦る様子もなかった。

「でも、悪くない条件だと思わない?
私が勝ってもあなたたちの餌はちゃーんと確保されているし、星矢さんが勝っても娯楽に浸りながら若くて可愛いJCを三人も食べられちゃうんだから。

何処から食べる?足?腕?それとも頭?…ってそれだと即死か。」

ゆらは我慢できずに檻の柵を掴む。
怒気を孕んだ声でAに放つ。


「あんた何でそんな無茶するん?!
自分の身体を使ってそんなたい焼き何処から食べる派?みたいな質問しよって。
頭がおかしんやないの?!!」


「お、ナイスツッコミ。
さすが大阪弁だね!」


「京都弁やぁあ!!」

旧鼠は彼女が気に入ったのか、その返答はイエスの一択だった。
Aはゆらに「絶対負けないから見てて」と言葉を残し、旧鼠の元に行く。

(信じられん…)

気力を失ったゆらはヘナヘナト座り込み、その華奢な背中を見届けることしかできなかった。

自分は陰陽師なのに、妖怪相手に一般人に守られ歯向かうことはできない。


(これが妖怪…何て非道なやつら。

倒さないと…私は陰陽師だから。)

彼女の陰陽師としてのプライドに亀裂が走った。

(式神さえあれば…こんな奴ら…)

「いやぁあああああ!!」

誰か、あの人を救ってくれ。
そんな祈りの気持ちに応えるかのように、突然霧が発生する。

白い靄の中から現れたのは百鬼夜行だった。
Aは安堵の表情を浮かべた。

「あらら…迎えが来たみたい。
星矢さん、今の取り引きのことは全て忘れて下さい。もう決着がついたので。」

「…ああん?」

「星矢さぁん!!化け猫組の奴らがいますぜ!!」


その百鬼夜行の中には似たようなハッピを身につけた猫の妖怪も見えた。

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桃子(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです!!忙しいと思いますが更新頑張ってください! (2021年5月15日 22時) (レス) id: f758fcdb57 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - とっても面白いです!色々忙がしいと思いますが、更新頑張って下さい!p(^-^)q (2020年8月6日 10時) (レス) id: 0b4aa008b9 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます!とても励みになります( ;∀;)ノロマ更新ですが気長にお待ちいただければ幸いです。今日の夜に更新しますね! (2020年6月23日 12時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
みいら(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンティー | 作成日時:2020年5月28日 19時

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