第12話 ページ16
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「神楽ちゃん、だっけ。いいよ、見せてあげる。だけど、一度きりだからよく見ておいて」
わしゃりと少女の頭を撫でたところで、懐から手にしたもの忍具か。
見たところ一般的なものより少し小さい"手裏剣"か。
「お前、手裏剣って。もっと他に見せるもんあっただろうが」
「そんな悠長に構えてて大丈夫？」
ちゃらんぽらんは女の口角が上がるのを見逃さなかった。
その寸での直感が功を奏したか。
印が結ばれ、姿を変えた手裏剣は先程とは比べ物にならない大きさか。
彼女の身長くらいはあるのではないかと錯覚させるほどの速度で巨大化したそれを扱う姿は過去を映す。
ドゴォォなんて轟音をたて。
振るわれたそれをどうにか手元の愛刀で受けるも、背後の壁１つ余裕でお釈迦になる始末。
呼吸もままならぬ間に、その手裏剣は分裂。姿を小型へ変え、銀時の体格に沿い見事的中。
加えて勝ち誇ったかのような満足げな笑みを浮かべるわけだが。
到底、か弱い女の顔などしていない。
その表情を例えるとすればそれは―。
「お前、普通ここまでやるか！！家壊す気か！！！」
「ぎゃあぎゃあ煩いんだけど。やれって言ったからやっただけだけど？」
「程度があるだろうが！！殺す気か！！」
「こんなで死ぬようなタマじゃないでしょ。冗談やめてよ、馬鹿らしい」
視線を通わせれば、浮かべる笑みは変わらず。
構わずぐりぐりと踏みつけてみせるあたり、この女の属性は間違いなく。
ギブアップの勧告も他所に、踏みつけてやれば意識を手放したところで漸く離脱。
何事もなかったかのように再びソファに座れば少女の瞳が輝いたことは言うまでもない。
「すごいネ、姐さん！」
「あの手裏剣どうなってるんです？」
「あ、新八くん。動かない方がいいよ」
え？と振り返ったところで自身の頬を風が掠めたことに息を飲む。
風の正体は言うまでもない。銀時を捉えていたあの手裏剣が手元へと戻ったのだ。
「危なかったね」
「ちょおっ、戻すなら戻すって言ってくださいよ！」
「あれ言ってなかったっけ？ごめんごめん」
「ていうか手裏剣が手元に戻るってなに？！ブーメランじゃないんだから！」
「まあ普通はそうか。これは一族の家宝"風魔手裏剣"。ま、改造しまくってもう原形残ってるか怪しいところなんだけどね」
パチンと指を鳴らし、最初目にした大きさへと戻せばにこりと笑う。
加減をしらないその
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