第11話 ページ15
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今朝、まさかの再会を果たした女性。
それは昨日、実家で出会った姉の知人"黒薔薇"こと"風魔絃"さんだったわけだが。
どうやら話しを聞くに、銀さんの知り合いで昨晩再会を果たし酔った彼女を放っておくわけにもいかず万事屋に連れてきたということらしいが。
「お持ち帰りかよ!!!!ふざけんなよ、なめてんのか!!この天然パーマが!!」
「落ち着け、新八。なにも過ちなんか起きちゃいねぇよ」
「そうアル、ぱっつぁん。銀ちゃんを信じるアル」
「神楽お前…」
「夜這いに失敗したくちネ。障子に頭突っ込んで寝てたあたり、姐さんに吹っ飛ばされたのが関の山アル」
「なっ、誰がこんなアバズレの夜這いすんだ!!ちょっと添い寝してやろうとしただけだよ…」
「アンタ、最低だよ!有罪だよ!!」
目の前で行われるこのやりとりに溜息をつけば、その中に入るのも馬鹿らしいと思ったのだろう。
こちらへと歩みより、尻尾を振るわんこにしつけを始めるわけだが。
これがどうか。
吠えるようなこともなく、むしろ懐いているようにさえ見える。
「君、良い子だね」
「わんっ」
「しかもめっちゃモフモフじゃん。なんか上乗れそう」
「それはそうと、姐さん姐さん!」
「うわっ、びっくりした。ていうか、姐さんて」
先程まで3人でわちゃわちゃしていたはずの少女が気づけば、隣に座り服をひいてるではないか。
さすが、夜兎。身軽、身軽。
「姐さん、忍者なんでしょ!さっちゃんと同じ"くノ一"アル!忍術とかいっぱい使えるの?ねえねえ!」
「さっちゃん?が誰だか知らないけど使えるよ。でも、君の期待に沿えるかっていうと微妙かな」
「そんなことないネ!ワタシの一撃受けて微動だにしないなんて只者じゃないヨ!」
「あはは…」
本能的にわかる。
この流れは忍術の1つでも見せろと言われる展開。面倒すぎる。ていうか、オフレコなんだけど。
と、"銀時は殺す"と目で制してやればピースサインを送ってくるこの天パは本当に。
嗚呼、そうか丁度良い。
「ねえねえ、忍術みせてヨ!にんにんみせてアル!」
「ほら神楽ちゃん。絃さんも困っちゃうよ。それに忍術なんてそう簡単に人前で見せられるものじゃないだろうし」
「少女の夢を裏切っていいのかね〜、なあ?現役、くノ一さんよぉ。まあお前がびびって降りるってんなら俺も止めやしねぇさ」
「いいわよ、とっておき見せてあげようじゃない」
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