【銀魂】引き離された瞬間【土方十四郎】‐２‐

第１話 ページ2

あれから二年が経った


土方さんと、もう二年も会っていない

顔を見てない
声を聞いていない
貴方に触れていない

だけど私、貴方のことを考えない日なんてなかったんだよ･･･？

今日は会える。今日はダメだったけど、明日なら会える
そう思いながら、ずっと過ごしてきた

こんな狭い城の中でも、私の頭の中は
貴方がいる外の世界が映っていたの･･･


依存しているわけじゃない。
ただ、貴方が大好きなだけ。

人を愛すって、こんなに幸せなことだったのね


これも、貴方から教わったもの。


　

全部･･･教わったもの･･･


　

あ「･･･会いたい」


　

部屋の中でそう呟いた
あの日、私が城に連れ戻されたあと、
お兄様から酷く叱られた

でも、最後は優しい顔をして


『お前の気持ちはわかる。だが、将軍家に生まれてきた以上、こうなる運命なんだ』


――――だったら、死ねばいいんじゃない？

そうすぐに浮かんできたけど、この考え方はただの馬鹿。
死んだら、土方さんに会えないじゃない･･･
死んでもいいことなんて一つもなかった。私はただ･･･


土方さんに会いたいの。

また逃げ出したい･･･ここから。
でも、それはもうできないみたい。


あの事件があって、城の周りには”見廻組”という人たちがついた。
完全に城を包囲しているみたいに･･･

―――城からはもう逃げられない。

だけど、私は諦めない
諦めない諦めない諦めない

･･･諦めたくないのよ･･･。


あぁ、なんで見廻組なの？
真選組が警備してくれたらいいのに･･･
そしたら土方さんと･･･話せるのに･･･


　

あ「･･･あ･･･。･･･あれ??」


　

なんか、涙でてきちゃった･･･。
なんで？


別に今、悲しいわけでも嬉しいわけでも怖いわけでもないのに･･･


あぁ、そうか･･･。


”会いたい”っていう感情でも、涙って流れてくるものなのね。


ね？そうですよね？
土方さん。


　


あ「私･･･。貴方がいないと、やっぱダメみたいです


　

　


　


　


　


今から行きますね。

貴方がいるところに」

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