◇隠れ黒龍No.3◆ ページ5
…ロッカーの中に身を潜めると、カタン…カタン…と音がした。多分、蜘蛛が入ってきたんだろう…。
「グルル…」
…ん?なんか、違う魔物も入っているな…
「ヒィッ…助けっ!!」
…他の人も入っていたか…。ま、僕には関係ないけどね。だって、この世界は殺るか殺られるか。クッフフ…さぁて…巻き込まれた人はどんな叫び声を上げるのやら。
「なぁーんてね!助けなんか呼ぶかよ!おい!ロッカーの中に隠れてる奴!此奴は俺の相棒だぜ!」
は?隠れてるのバレた?てか、なんであいつ…魔物が近くにいるのに大声出して…馬鹿か?
とりあえず僕は出てみることにした。すると、目の前に蜘蛛が居た。
「クッハハッ!馬鹿め!俺の相棒の餌になるがいい!」
こういう馬鹿な人が居るから騎士の信用がない。こんな蜘蛛如き…瞬殺できる。
『"ファイアラ"』
指先から小さな炎を出す。
「ハッ、そんな小さな炎で倒せると思うnえ"ぇ"!?」
騎士ランクの奴が何故変な声を出したかと言うと、僕の小さな炎で蜘蛛の魔物が一瞬で焼け終えたからだ。
「え…なん…嘘だ…お前!蜘蛛の癖に何人の相棒を殺してっ!!」
『ハァ?殺されそうになったから殺した。この世界は殺るか殺られるかだぞ?殺られる前に殺るのが普通だろ?』
僕がそう言うと、騎士ランクの奴は逆ギレしてきた。
「蜘蛛ランクは殺られるべき存在!お前が魔物を殺していいわけないだろ!死ね!クソ野郎!」
おや…僕の事を見下してるねぇ此奴。本当…馬鹿だな。黒龍を見下す、なんてね。
此奴は自分の言った事がカッコイイとでも思っているのか、ドヤ顔で此方を見てきた。
僕は魔法を解いて耳に着いてるピアスを騎士ランクの奴に見せ付けた。
「フン、蜘蛛のピアス見て何が……は?」
ピシッと騎士ランクの奴が固まる。そりゃあそうだよな。見下していたやつが黒龍なのだから。
クハッ、絶望した顔が堪らない。今どういう気分なのだろうか?見下していた蜘蛛ランクの奴が実は黒龍ランクだったなんて人生で1度しか経験無いだろうね!何故1度かって?僕が見下した奴を殺るからに決まってるじゃないか!
「ヒッたす、助けっ」
助かるわけがないよなぁ?だって、黒龍に喧嘩売ったのはそっちだぜ?
◇◆
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さいだー - ア…好きぃ… (2020年9月4日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吟狐 | 作成日時:2020年7月10日 10時