【東京喰種】セイレーン3

第106声 ページ10

伊藤さんの様子が気になるが戦闘中に余所見をする余裕は私にはない。

もしもの時は気絶でもさせてタケさんに任せようと思考を断ち切る。



黒「姉様、これからどうするの？」

主『白鳩を片付けないとね…黒狗これ飲んで怪我を治して』

入「喰種使いが荒いわよ…ったく」




仕方が無そうに私の渡したカプセルを入見さんは飲んだ。

信頼されてるんだなと思いながら、後で絶対怒られるなとも思った。




主『…説教は後で受け付けるから』

入「何を…！？貴女！！なに…いれ、た」

主『クロとシロは黒狗を例の場所まで』

白「姉様は？」

主『私はまだやる事があるから』

黒「気を付けて…シロ行こう」

白「…うん」





クロとシロが来てくれて本当に助かった。

あの二人なら上位捜査官に当たらない限り倒される事はないから…

(本来なら入見を連れて逃げるのは万丈の仕事でした)



主(人柄は信用してんだけど…戦闘力がね)






ぞわッ





主『クロ！！下がって！！』





突然感じた嫌な殺気。

クロ達がいた場所に刺さっていたのは槍のように長い柄のついた大剣のクインケだった。

見た事のあるクインケ、けれどまだ出てくる筈の無いクインケでもある。







主『…伊丙ハイル』

ハ「あれぇ〜私の事知ってるんですかぁ？」

主『少しね(何か来たんだけど！！？？)』




にやりと笑った彼女に背筋が凍った。

不気味な気配を垂れ流すなと声をだして怒鳴りたいのを我慢する。




平「君は有馬さんの所の…」

ハ「伊丙ハイル1等捜査官です」

平「0番隊の持ち場は此処ではないだろう」

ハ「抜けて来ちゃいました…殺したい相手がいたんで」






そう言って殺気をこちらに向けてくるハイルに嫌気がさした。

彼女の行動理念は分かっている…つまりは嫉妬だ。






主(貴将さんにでも私の事聞いたのか？)


作戦を次のフェイズに移行するにはまだ早いし…

本当にあの人と関わると碌な事がない。









主『…準備運動にでもしますか(何かこいつには負けたくない)』

ハ「コロス」






お互いが武器を構えながら殺気を脹れ上がらせる。

目の前のハイルに嫌気がさしながらも少し感謝している自分がいた。

彼女がこの掃討戦に関わっていたのは知っている。

けど、主要人物との戦闘は描かれていない。

つまりは原作とは違う物語になっていると言う事…。









主(ハイルを如何にかして、全員助ける！！)






続

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