【東京喰種】セイレーン3

第98声 ページ2

時は遡り、20区掃討戦の数日前…




紫(あれがV？人間か喰種か良くわかんねぇ匂い…)

翡(店長さんが手を出せない時点でかなり強いでしょうし、深追いは無理か…)

紫(…いったな)

翡(勘付かれてるかもしれないから、遠回りして戻るよ兄さん)

紫(りょーかい)


銀月から近い内に組織の奴が店長に近づくから見張っていて欲しいと頼まれ、

内容も姿を見るだけで良く、何か知れたらラッキーと言っていたのが理解できた。


翡(今の俺達では勝ち目がない…)









真夜中のアパートに窓から入り込めば、いつものへらへらした顔で挨拶された。

死ぬかもしれない戦いの前でよく笑えるものだと呆れた。


叶「…必要な機材はこれで全部か？」

永「はい、すんません態々」

叶「習様にお前の事は頼まれているからな、仕方なくだ！」

永「…これで当日も何とかなります」

叶「本当に参加するのか？私は守ってやれないんだぞ」

永「分かってます、月山家の痕跡を残す訳にはいかないですし」

叶「…習様も葛藤している」

永「銀月が皆でハッピーエンドを目指してるんですから大丈夫ですよ！」









ビルの改修工事の為に家を探していると思わぬ所から声を掛けられたが、

あの子の仕業だと思いその話を受けた。


新「じゃあ、しばらくお世話になります」

観「習君のお友達だからね、任せなさい」

新「…銀月ちゃんから、言伝ありますか？」


それは半分以上が僕自身の希望だった…あの子に頼って欲しい。


観「お見事。君には数日後に都外の、ある場所に行ってもらう」

新「都外ですか？」

観「そう、そこでいつでも怪我人の手当てが出来る状態で待機して欲しいそうだ」

新「分かりました」

観「何も聞かないのかね？」

新「あの子のお願いは出来る限り叶えたいんです(…笑って欲しいから)」







ヒデと観母さんから後方支援の準備が出来たと今朝方報告があった。

私達も数日後の作戦の最終調整に入っていた。


主『…まぁ、当日はこんな感じで各自動いて』

金「僕だけやけにハードスケジュール…」

万「…俺も頑張るから、頑張れ」

月「…バンジョイ君は参加できるだけいいじゃないか」

主『まぁ、ケンは頑張れ。熱血って無理だから私』

金「銀月ちゃん…」









それぞれが準備を進め、運命の時がやってくる。









続

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