☆東京喰種短・中編集☆

続き ページ22

「そーなのかー。残念だなー」

ナキはしょぼんと肩を落とした。

「お、落ち込まないでくださいよ、兄貴」

「兄貴！！」

ホオグロと承正がフォローする。

さすがのミザも可哀想になってきた。

「そ、そうだ！やっぱり、お墓つくらないか？」

「え？」

突然のミザの提案に、ナキも、目をパチクリさせた。

「だって、兄貴が行きかえるわけじゃねぇんだろ？」

ゴホン。

ミザは咳払いをして言った。

「お墓を作れば、確かに蘇させることはできないが、ヤモリの奴に感謝の気持ちを伝えられるだろう」

「カンシャノキモチ？」

「ありがとうってことっスよ、兄貴」

省正が優しく教える。

ナキは理解したようで、

「おぉー！！！！！いいな、BBAの癖にやったぜ！はやくつくろーぜ！」

と、叫んだ。

色々突っ込みたい所はあるが、ミザはワガママを聞いてやることにした。

「よし！ホオグロ！承正！お城みたいなの作ろうぜー！！！」

「それは無理だ」

ミザは冷静になり、言う。

「そうだな…花をたくさん摘んでこい」

「鼻？よっしゃ！頑張るぜ！見てろよ兄貴！」

誤解したナキはそのまま走り去ろうとする。

「違う、違う！」

慌てて止める。止めなければ大変だ。流石のCCGもびっくりだろう。

「花…だ。咲く方の」

「うーん！あっ！タンポポとかのやつか！？」

「そうそう、そっちだ」

ああ、分かって良かった。

「よっしゃ！行くぜ子分どもー！！」

「おう、兄貴」

だんだん遠くなっていく3人の姿。

(あいつらも、ナキについていくのは大変だろうな…)

でもちょっとだけ、羨ましかった。

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