No.002 おいしい話 ページ2
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俺が23になった年だった
バラが、俺とサブにあるゲームに参加しないかと持ちかけてきたのだ
「なんだ？ゲームだと？」
「ああ。やらねえか」
「俺はいいが、ゲンはどうだ？」
「……どんなゲームだ」
「グリードアイランドって言うんだが」
「グリードアイランド？なんか前に新聞で見たな」
「ああ。念能力のある奴しか出来ねえゲームだ」
「参加する意味があるのか？」
「それが、バッテラっつー大富豪がクリア報酬に500億出すっつってんだ」
バラがとても興奮した様子で、そのバッテラとかいう富豪がグリードアイランドを買い占め、それに挑戦するための念能力者を募集しているというチラシを見せてきた
確かに、クリア報酬として500億支払うと書いてある
そのゲームがそれなりに危険を伴うものだとはわかっていたが、俺たちには金が必要だった
それも、多額の金が_____
「どうする？ゲンスルー」
「ああ、やる」
「じゃあ俺も」
「決まりだな！さっさと500億いただいちまおう」
「待て」
「あ？なんだよ」
「たしか出て来れなくなった奴もいるらしいな」
「ああ。だが、俺たちなら大丈夫だろ」
「いや、最初は俺だけ入る」
「ゲンだけ？なんでだ」
「様子見だ。ルールも何も分からねえ状態で全員入るのは得策じゃねえだろ」
「そうか？」
「慎重になるのは悪いことじゃない」
「そうだな。わかった」
「なあ、Aはどうする？」
サブが俺の顔色をうかがうようにして尋ねてくる
Aというのは、俺の6個下の少女だ
彼女は4歳の頃に、当時10歳だった俺たちが暮らしていたスラム街に捨てられていて、それを拾ってやってから、ずっと一緒に育ってきた
今は17になる、俺たち3人のかわいい宝物である
「……できれば行かせたくねえな」
「ま、危ねえからな」
「でも、あいつ強えから大丈夫だろ」
「そういう問題じゃねえ。行くとしてもお前らと一緒だ」
「何の話してるの？」
部屋に凛とした声が響いて、髪の長いあどけない顔をした少女がドアからひょこっと顔を覗かせた
Aである
年相応とは言えない暗い瞳がじっと俺たちを見つめている
誰も返事しないでいると、Aは義足をコツコツと鳴らしながら、ゆっくりと部屋に入ってきた
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
