【鬼滅の刃】姉ちゃんは俺が守る。弐

捌拾参話「疑念」 ページ40

煉獄side

練「…むぅ」

炭「？煉獄さん……？」

件の噂と違い、柔らかい笑みを浮かべながら黄色い少年と猪頭少年の二人と談笑する彼女を見て俺の胸の中に"疑念"の二文字が浮かび上がる。

……本当に、彼女は噂通りの人物なのだろうか…？

確かに、足を刺された黒花が此方に助けを求めて来た時当事者であろう金月に俺は酷く軽蔑の視線を向けた。
それは確実だ。

そして今も噂は尽きず、着々と彼女の居場所は失われつつある。

しかし、そこで疑念が湧き上がる。

俺達柱の誰も、金月が黒花に粗相を侵した決定的な瞬間を見ていないでは無いか。
あるとしたら鴉の証言と平隊士の証言だけ。
しかし、決定的な証拠が無ければ裁く事は出来ない。

そして、鬼殺隊の中で彼女達の噂を保有している者達は二手に別れてお互いに噂を飛ばし合っている。
一体どういう事かというと──金月に味方する者、黒花に味方する者の二つに分かれていたのだ。

両方の数はほとんど半々に分かれている。

いつか胡蝶が言った時の様に、人が多ければ多い程制御統一は難しくなる。
金月派の者達は否が応でも黒花に味方しないという姿勢を崩さなかったので、今現在も拮抗状態。
俺達柱としてはいち早く金月という危険分子を取り除き、鬼殺隊に安寧を齎したいのだが如何せん意見が半々に分かれているせいで軽蔑する位しか手が無い。

鬼殺隊の観点から見れば年中人手不足なのだが、一組織としては中々の規模を保っているので如何せん統一が難しいのだ。

だから、今現在金月を大々的に裁くのは難しいという事。

噂が出る前から金月は慈愛に溢れた人物という噂が専らだった為、彼女と付き合いの長い者は彼女がいない事に気付く者も現れるだろう。

──煉獄さん！

俺としても、一応は彼女との付き合いも長いのでどうしても疑念を持ってしまう。

だが、それ以上に金月の顔を見ると不快感が勝ってしまう。
その優しい笑顔の裏に隠された本性が何なのか、情けないがほんのりと恐怖を感じてしまう。

好きの反対はなんとやら。

俺もそこそこ彼女との付き合いも長いので、彼女の本性がそんな物だとは思いたく無かった。
優しく笑い、誰にでも分け隔てなく慈愛を与えるその姿。

その裏に隠された本性。

──それを、俺に教えてはくれまいか？

◇◇◇
煉獄さん視点で説明っぽく入れて見ました。

どうでしょうかね……( ･᷄-･᷅ ).｡oO

因みに愛柱派の隊士達はほとんどがマネーで買収されています。

マネーで買収した人物は誰なのか……教えるまでもありませんね。

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