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捌拾弐話「匂い」 ページ39

炭治郎side

炭「……ッ?!」

無限列車にて。
窓から身を乗り出そうとする伊之助を宥めていると、ふと己の鼻が悲痛な程悲しい匂いを感じ取った。

まるで何かが壊れた様な、俺も泣きそうになる程の匂い。

ほんのり漂ってる鬼の匂いが全く感じられなくなる程だ。

今まで生きてきて、こんな悲しい匂いを感じ取った事があっただろうか?
いや、無い。
善逸も感じ取ったのか、元から青かった顔を更に青くさせている。
伊之助でさえ、何かを感じ取ったのかピタリと動きを止めた程だ。

しかもこの匂い以外に、見知った匂いが漂ってくる。

待て、まさかこの匂いって……。

炭「…雫、さん」

『あら、炭治郎君達!
合同任務の隊士って貴方達だったのね……って、どうしたの?そんな悲しそうな顔して…私で良ければ相談に乗るわよ?』

何で、そんなに笑顔何ですか。
そんなに悲しそうな匂いを漂わせているのに。

そう言いかけた言葉を、喉の入り口で押し留めた。

カラカラに乾いた喉を、粘ついた唾液が滑り落ちた。

炭「いえ!何でも無いです……雫さんも元気そうで良かったです!」

『うん、ありがとう』

善「やだ美人過ぎるぅぅぅ……」

『うん、お世辞ありがとう』

伊「おい雫子!俺と勝負しやがれ!!」

『任務が終わってからなら幾らでもやってあげるよ』

にこやかに俺達と会話を交わす雫さん。
だけど、その匂いは酷く重い。
まるで、暖かい匂いが冷たい匂いを隠そうとしている様に。

会話を交わしていると、唐突に「キャッ」という短い悲鳴。

それと同時に鼻にねじ込まれる様な香水の匂い。

萌「やぁん雫ちゃんがいるぅ…怖いよ怖いよぉ!」

練「──竈門少年達、彼女から離れなさい」

炭「煉獄さ……」

すると唐突に、今まで完全に空気と化していた炎柱の煉獄さんが俺達と何故か俺達の傍にピッタリとくっついてる萌香さんを守るように間に立った。

因みにあれだけあったお弁当の箱は全て空になっていた。

『煉獄さん…………』

練「本当なら君と任務となんて受けたく無かったんだ。
くれぐれも、この子達には手を出さないように」

『…うん、分かりました。
……ごめんね、炭治郎君達』

そう言って、雫さんは寂しそうに笑った。

捌拾参話「疑念」→←予告編※もどき



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きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» テンキュー!はいごみ収集車にぶちこむぜ☆オルァ! (2020年8月8日 0時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - きーねちゃんさん» はーい!ニクマン\(^-^ )ブンッ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - kiki11241さん» なる……予定です!(おい)すいません頑張ります! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
kiki11241(プロフ) - あれ本当に杏寿郎オチかな? (2020年8月5日 19時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» へいパース!僕今ならゴムの手袋を五万枚重ねてるんで大丈夫でーす! (2020年8月4日 22時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年7月9日 18時

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