19.＊ ページ20
「ぱくっ！もぐもぐ〜！」
「………」
いかにもぶりっ子というように擬音を出して食べる美乃ちゃん、無言でもっもっと頬張っている理亜ちゃん。
なんか、こう……癒される。
…さて、私も食べないとね！
『……んっ……おおお！おいし〜！うちらで作ったカレーは格別だね〜！！』
「おいしい…！」
「さいこーだね〜〜！」
いつもお母さんと二人きりとかお母さんの作ってくれたやつだから、新鮮だな〜
「………」
『……美乃ちゃん？』
「……えっ？あ、ううん！なんでもないよ〜♪」
「…？」
どうしたんだろう…？
…やっぱりそうか、美乃ちゃん………過去ありぶりっ子って感じかな。
『……さてっと！そろそろ食べ終わった人から食器片づけてね〜！食後のデザートは自由です！！』
場を和ませるようにそういうと、美乃ちゃんがハッとした表情でこちらを見て、バッと手をあげる。
えっえっなになになになに
「わたし、デザートもつくってみたい！」
「…！？エ、デザートも作ルの？」
デザートをつくる…その発想はなかった！！
「ゆ、優衣チャン、さすがにデザートはっ」
『その案乗ったああああ！！よしプリンつくるぞつくりたかったから今日つくるぞ！！早速準備ぃぃぃ！！』
「お〜〜！」
「ええええっ、エエエエ！？マママ待ってヨ！えっホントにツクルのっっ」
『当たり前じゃないつくるよ！！さぁ理亜ちゃんも立って立って！こういうのは今やるのが一番いいのー！』
「えっえっ、アッエッ、わわわワカッタ…？」
結構混乱している理亜ちゃんを立たせ、早速食後のデザート…プリンをつくる準備をする。
NOside.
「…ふふ」
実は帰ってきていた優衣の母。
こっそり覗き見、微笑ましく笑う。
「………本当に、”あの優衣”だったとは思えないわね」
昔は病んでいた優衣。
暗く、誰とも話そうとしなかった優衣が、今こうして、明るく楽しく友達と話せ、遊んでいる。
「……やっぱりこの子は、私が育てないとね」
＿＿＿＿どうやら、過去があるのは優衣だけではない様子。
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