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「…わからないよ、私には。」


微笑んでそう言って、俺の隣に座った。



「でもね、私たまに思うの。__幸せって何?」



幸せってどこにあるの?何したら幸せになれるの?と彼女は疑問を並べた。
俺は検索サイトのバナーに幸せとは、と入力して検索ボタンを叩いた。


「…満ち足りていること、だってさ」


長い睫毛が肌に影を落とす。
真っ白な肌は夕日に照らされ赤く染まっていて、血飛沫を浴びたみたいな残酷ささえ感じられる美しさは言葉で言い表すには勿体無かった。



「満ち足りていることかぁ。
満ち足りていなければ不幸ってわけではないじゃない。幸せと不幸って対義語じゃないと思うの」


「好きの反対は無関心、みたいなことか?」


「多分、そういうこと」



だって、幸せと不幸せの中間ってあるはずでしょ?と立花は言った。

何事にも中間はある。
1と2の間にも、朝と夜の間にも、中間を言い表す言葉はある。



「私今幸せ!もう死んでもいい!ってなる瞬間って本当にたまにしかないでしょ。
だからって幸せな瞬間以外は不幸ってわけじゃないよね。

そういう幸せと不幸の中間ってなんて言い表したらいいんだろうね」



首を傾げながら考えている彼女の横顔を見つめながら、何と無くつぶやいた。




「…停滞した日常、ってとこじゃね」




ずっと感じていた、心の隅っこに追いやられた小さな充実感。

充実なんてするはずない。小さな幸福でいいなんて思ってるはずない。
そうやって否定し続けてどこかに追いやったはずのそれだと思った。

自分は空っぽなんだと。
何をしていても退屈で、楽しいって思えた野球でさえも怪我でろくにできない。


ずっと俺は不幸のままって、思っていたけれど。



小さな鳥籠で見つけた小さな幸福は、ずっと俺の手の中で輝いていた。

その停滞した日常は小さな幸福と呼べるものだと思う。



「なんだか悠飛らしいね。うー、私だったらなんて書くかなぁ」



真剣な面持ちでうーんと唸りながら考え続ける彼女を見つめながら、やっぱりこんな日常も悪くないなと笑った。








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あおい(プロフ) - 完結後、読ませていただきました。どのお話も、少し考えさせるような、奥が深いもので、私もこういう小説を書いていきたいです。 (4月28日 7時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ♪# - 完結おめでとうございます!どのお話も奥が深く、読んでいてとても考えさせられました。とても面白かったです。 (4月18日 8時) (レス) id: 77648adcbf (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結おめでとうございます。どのお話もすごく心に残り、自分と重ね合って読んでいました。すごくいいお話だったと思います。 (3月31日 19時) (レス) id: eb71493e70 (このIDを非表示/違反報告)
小幅 - とても面白い作品ですね!続きが楽しみです。 更新、無理しない程度に、頑張ってください! (3月30日 15時) (レス) id: 62007663da (このIDを非表示/違反報告)
はんな(プロフ) - 情景描写がくわしくて、上階が本当に浮かんできます!素晴らしすぎる… (3月28日 11時) (レス) id: 3170240b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷・結・ゆいなー・あお・ここは x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hp-rei/  
作成日時:2020年3月24日 19時

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