検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:99,287 hit

44 彼を答えて ページ45

「…………」

「……………そうね」


 モンゴメリは云う。


「彼を扶けた理由――私も、答えられないわ。解っているけれど、他人には何て云えばいいか分からない……かも」


 此方に向き直った。


 初めて、同じ世界で、目線が合った。

 
「自分のしたことに就いて後悔したことはなかった。
 しなかった事に就いてのみ、何時も後悔を感じていた」


 それは、彼女の言葉ではないみたい。
 けれどそれば、とても彼女の心に響いている言葉みたいで。


「まあ、そういうことよ」


 言葉では理解出来ないが、
 何となく、理解した。

 
「ねぇAちゃん、あたしたち……」


 その答えに、端末は要らない。


「……お友達になれるかしら?」


 その答えに、言葉は要らない。


 駆け寄り、
 Aはモンゴメリの、手を握った。


「あら、甘えん坊さんね」


 綺麗な、笑顔。


 この笑顔を守る為に、
 私も、探偵社の社員に……


「それにしても、明日からどうしようかしら」


 目を閉じて、


「もう組合にはいられないだろうし。異国の土地で宿無しとか、人生最大の一興よ」


 溜息をつくモンゴメリ。


「………………」


 そこで、
 Aは、思い出した。


 その情報を端末に打ち込み、画面を見せる。


「ちょっと、近いわよ……え?」


 モンゴメリも、その端末に手を携え、しっかり隈なく、読んだ。


「宜しければ、探偵社のあるビルに、いらしてください?」


 その端末に記載されていた文章を読む彼女。


「な、何でよ。あたしは探偵社なんか行かないわよ」

【違います。その一階に、喫茶店があるんです。】


 それは秘密の、
 

 素敵な、斡旋。

45 メソッド→←43 かくされた時間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。