44 彼を答えて ページ45
「…………」
「……………そうね」
モンゴメリは云う。
「彼を扶けた理由――私も、答えられないわ。解っているけれど、他人には何て云えばいいか分からない……かも」
此方に向き直った。
初めて、同じ世界で、目線が合った。
「自分のしたことに就いて後悔したことはなかった。
しなかった事に就いてのみ、何時も後悔を感じていた」
それは、彼女の言葉ではないみたい。
けれどそれば、とても彼女の心に響いている言葉みたいで。
「まあ、そういうことよ」
言葉では理解出来ないが、
何となく、理解した。
「ねぇAちゃん、あたしたち……」
その答えに、端末は要らない。
「……お友達になれるかしら?」
その答えに、言葉は要らない。
駆け寄り、
Aはモンゴメリの、手を握った。
「あら、甘えん坊さんね」
綺麗な、笑顔。
この笑顔を守る為に、
私も、探偵社の社員に……
「それにしても、明日からどうしようかしら」
目を閉じて、
「もう組合にはいられないだろうし。異国の土地で宿無しとか、人生最大の一興よ」
溜息をつくモンゴメリ。
「………………」
そこで、
Aは、思い出した。
その情報を端末に打ち込み、画面を見せる。
「ちょっと、近いわよ……え?」
モンゴメリも、その端末に手を携え、しっかり隈なく、読んだ。
「宜しければ、探偵社のあるビルに、いらしてください?」
その端末に記載されていた文章を読む彼女。
「な、何でよ。あたしは探偵社なんか行かないわよ」
【違います。その一階に、喫茶店があるんです。】
それは秘密の、
素敵な、斡旋。
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年12月22日 22時