第227話 雷門のキャプテンは ページ28
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「………できた………わぁあああ〜〜〜〜ッ！！やったぁ〜〜〜ッッ！！」
立向居は目を輝かせて大喜びし、屋上からこちらを見ていた円堂に大きく手を振った。
「できましたよ！！円堂さーーーんっっ！！！」
円堂は立向居をぽかんと見つめていた。
「(世宇子戦の前、どんなに特訓してもできなかった、“マジン・ザ・ハンド”……でも、今の立向居のように、諦めなかった……だから、完成した。そうだ……大切なのは……)」
円堂は顔を上げた。
「(諦めない心だ……！)」
立向居は鬼道と一之瀬の方へ駆けていき、何度も頭を下げて礼を言った。
「すごいな、立向居」
Aが立向居の方に歩いてきて、そう告げた。
「睦月さん…！ありがとうございます！！」
「なんか、私も燃えてきたな」
Aは拳をぎゅっと握って微笑んだ。
「何か掴めた気がする。大事なのは、諦めないことだよな……」
「無理はするなよ、睦月。体を壊されたら元も子もないからな」
鬼道の言葉にAは一瞬ぴくりとして、それから曖昧に笑って頷いた。
────
その日の夕方、円堂はついに立ち上がった。その瞳は真っ直ぐで、もう迷いなどなかった。いつもの円堂だ。
「みんな、迷惑かけてすまなかった。俺、もう迷わない！」
「雷門のキャプテンは、お前しかいない！」
鬼道の言葉に、みんなも頷いた。
「すいませんでした、監督。もう一度、お願いします！」
「これから先も、チームに必要ないと思ったら、容赦なくメンバーから外すわ」
「分かりました！」
円堂が監督の言葉に大きく返事をすると、立向居が駆けて円堂の方へとやってきた。
「俺も一緒に戦わせてください！」
「えっ？」
「“マジン・ザ・ハンド”ができるようになったら、言おうと思っていたんです！！」
円堂は嬉しそうに笑い、立向居の肩を掴んだ。
「立向居…！！いいですよね、監督！！」
「ええ」
「ありがとうございます！みなさん、よろしくお願いします！」
立向居は深々と頭を下げた。
「一緒に頑張ろうぜ、立向居！」
「はい、頑張ります！！」
「俺は、もっと頑張るぜ！」
「だったら、もっともっと頑張ります！」
「だったら、もっともっともっとだ！！」
円堂の言葉に、立向居は笑って、「はい！！」と頷いた。
「よーし、練習だー！！」
「おーっ！！」
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第228話 “炎のストライカー”→←第226話 それが円堂守だから
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
