第226話 それが円堂守だから ページ27
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瞳子監督は立ち止まった。
「俺達のキャプテンは円堂だけです！あいつは必ず立ち上がります。それが円堂守だからです！」
瞳子監督は振り返り、みんなを見回した。誰一人として、鬼道の意見に反対する者はいない。みんなが、円堂の帰還を信じていた。
「…………明日、ここを出発するわ。誰もついてこないなら、新たなメンバーを探すだけよ。私はエイリア学園を倒さなければならないの」
そう言って、瞳子監督は去っていった。
秋は近くのボールを拾い上げて頷くと、鬼道の方へ向かっていった。
「鬼道くん」
鬼道は笑って頷いた。
秋は、練習に立向居を呼んだ。ずっと校舎の裏で、円堂がそうしていたように、タイヤを使った特訓をしていた立向居だ。
秋は屋上に行き、円堂に呼びかけた。
「──見て、円堂くん。グラウンドのみんなを」
円堂はグラウンドを見た。
そこでは、立向居が、鬼道たちのボールを受けて、マジン・ザ・ハンドの習得を目指していた。
「お願いします！」
「“ツインブースト”！」
立向居は構えた。
「“マジン・ザ・ハンド”────！！」
立向居のマジン・ザ・ハンドは、完成まであと少しというところまで来ているように見えた。
「無理ッスよ…キャプテンがあんなに苦労して身につけた必殺技なんすから…！」
壁山が立向居を見つめながら言った。
「もう一度、お願いします！！」
立向居は何度でも立ち上がり、諦めず、シュートを受けた。その姿は、かつての円堂によく似ている。
「………諦めない……！！」
その言葉に、円堂が目を見開いた。
「絶対に……絶対に、諦めない！！」
円堂はハッとしたように立向居を見つめた。
「諦めるもんか……！！」
「“ツインブースト”！！」
「“マジン・ザ・ハンド”────！！！」
その瞬間、その場にいた全員が、これまでとは違う何かを、立向居から感じた。
「魔神……」
「うおおおおぉおおお─────ッッ！！」
──ボールは、立向居の手のひらでガッチリと受け止められていた。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
