可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが25つ ページ26

あははっ、馬鹿みたい



真っ青な顔をして
僕の上から降りない海崎くんを見ながら



皆が来るのを待つ



なんで部室から一番近い水道を選んだと思う？



声が届きやすいからだよ



僕を陥れることで頭がいっぱいだった君は気付かなかっただろうけど



ほんとに滑稽だよ




「A！！、大丈夫かっ！」



『嫌っ、止めてっっ、海崎くっ』



「てっめぇ！！」



大輝が海崎くんを掴み、引きずりおろす



征十郎、テツヤが僕にかけより真太郎がブレザーを脱いで
僕の肩にかけた



「り、涼太っ、違うっ違うんだ...」



涼太に手を伸ばす彼の顔は
柊さんが修造先輩に向けた顔と同じで
なんだか笑えてきてしまう



震える声が涼太の口から漏れる




「そんな人だと思わなかった...信じたかったのに」



その目は、悲しみ、怒り、そして呆れが混ざっていて



そんな視線が海崎くんの心を突き刺す



大好きな人からの言葉が更に彼の心をえぐる



ははっ、いい表情
モデルだけじゃなく、俳優もいけるんじゃない？




なんて




独り言を心のなかで呟いた




「二度と、Aに俺の前に現れるなっ！！二度とっ」




最後の一撃



海崎くんは力なく地面に座り込んで涙をこぼす
そんな彼に目もくれず、僕たちは部室へと戻った



ぁー、呆気ないな
もうちょっと頑張ってくれると思ったんだけど...



まぁ、潰れてくれたしいいか



大丈夫か？



そんな心配する声に涙目で首を横に振ると
優しく敦が抱き締めてきた



その温もりを感じながら




やっぱりこの居場所は誰にも渡したくないなって




改めて思った



ありがとう皆




僕のことを好きでいてくれる皆が




大好きだよ

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