可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが22つ ページ23

夜8:00



自主練習が終わり、制服に着替えて
"わざと"忘れてきたペンケースを取りに
また体育館へと向かっている



今日の鍵の担当は海崎くん



数メートル先には、僕のそれを持った彼が
ちょうど鍵を閉めているところだった



『ごめんっ、それ僕のっ』



小走りで取りに行けば、一段と嫌な顔をされた



皆がいないからって、態度変わりすぎでしょ
なんて、そんなのどうでもいい



『涼太を手に入れられなくて、悔しい？』



無言で立ち去ろうとする海崎くんに向けたその一言で
彼の動きが止まる



「は？」



『涼太どころかキセキ達も奪えてないけど、どうなのかなって』




僕の言葉に驚く様子を見せず
化けの皮剥がしたな、なんて睨んできた




『ねぇ、どんな気持ちなの？』




焦り？



嫉妬？




ねぇ、僕にこんなこと言われてどんな気分？





何か言い返すのかと思いきや、無言で僕の胸ぐらをつかんで



「お前の思い通りにはさせねぇ」




と、一言




『..無理だよ、涼太は君なんか見ちゃいない。それにね、僕を裏切らないって言ってくれたよ？どういう意味かわかるでしょ..?』




下唇をグッと噛んで、まだっ
と消えるような声で囁く海崎くん



理解してくれたみたいで良かった



乱暴に僕を押し退けて、校舎の中へ入っていくのを後ろから眺めながら




殴ってくれても良かったのに、なんて
痛いのは好きじゃないくせに、そんなことを思った



海崎くんを陥れるまであと3日




___________


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