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ちなみにハピナスの特性は自然回復。



_____



Aさんに言われた通りに学食へ(おもむ)くと、部屋の奥に確かにペパーがいた。
仲良くない人に話しかけるのは、ぼくよりアオイの方が得意だ。アオイは初対面の人とも物怖じせずに話せる。ぼくは逆。

息をつくと、ようやく一歩を踏み出した。



「ペパー」



突然話しかけたので、ペパーが驚いたように振り返った。……何か前置きでも口にした方が良かったかもしれない。



「お前灯台の……。ハルト……だ!」

「よく覚えてるね」

お前ら(・・・)有名だぜ? ほら、生徒会長とつるんでるだろ?」

「ええ……そんな理由で有名になるもんなの」



どれだけネモという人間の存在感がアカデミーにとって強いものなのか痛感する。それは、生徒会長としてなのか、チャンピオンランクの人間としてなのか、はたまたその両方が由来なのか……。



「ちょうど良かった。捜してたんだ。お前のこと」

「あ、うん。知ってる」

「あ? なんで……」

「ペパーがぼくのこと捜してるって、Aさんって人が教えてくれた。なんか変……じゃなくて、近未来みたいな服着てて、蝶の……なんて言うの? ……イヤーカフ? 的なやつ付けてる人」



そう言うと、ペパーが腕を組んで顔を顰めた。不機嫌なのではなく、何か疑問に感じたような表情(かお)だった。



「オレ、今日はあの人に一度も会ってねえし、ハルトのこと捜してるっていうのも、一回も言ったことないんだけど」

「え?」



今度はぼくが疑問に感じる番だった。もしかして、自分の記憶違いだっただろうか。



____『ペパーさんがアナタのことを捜していました。食堂にいらっしゃる筈なので、会いに行ってあげてください』



……いいや、記憶違いなんかじゃない。確かにAさんはペパーが自分を捜していると言っていた。



「いや、でも言われたし……」

「でも会ってねえし……」



お互いわけがわからなくなり、二人の間に変な空気が流れる。ぼくがどうしたらいいかわからなくなる中、先に口を開いたのはペパーだった。



「あのAってヤツ、もしかして……」

「え、なに?」

「……いや、なんでも。それよりオレさ、お前に頼みたいことがあるんだ」

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2023年2月25日 23時

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