エーデルワイス【1st】【グルーシャ】 (ページ14)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:16,861 hit

・ページ14

*

＊

「ポケモンたちよ、出てきてください」

校長先生が三つのモンスターボールを取り出した。そして、その中から一体ずつポケモンが出てくる。

「わっ、かわいい～！」

アオイが屈んで、ポケモンに目線を合わせた。

「アカデミーでは、ポケモンを所持していない生徒には入学したら一匹、ポケモンを渡すきまりになっているんです。それぞれ、くさねこポケモンのニャオハさん、ほのおワニポケモンのホゲータさん、こがもポケモンのクワッスさんです」

所謂(いわゆる)、初心者向けのポケモンというやつだ。ガラル地方にも初心者向けの三体のポケモンはいた。

数年前、当時のチャンピオンからジムチャレンジへの推薦状を貰ったポケモントレーナーが、その三体のうちの一体を相棒として連れていたのを見たことがある。

「みなさん、私にくっついて離れないんですよ……おや」

校長先生がそう言った矢先、ポケモン達は興味津々と言わんばかりに近寄ってきた。未進化ポケモンだからか、ひとつひとつの仕草に愛嬌がある。

「ふむ……校長よりもおふたりに興味があるようです。選択を見守りたいところですが……私は次のお宅のところへ向かわなくてはいけません。ポケモン達と歩いてみて、どの子にするか決めてください」

そう言って、校長先生は向かいの家に歩いていった。
……なんか、向かいのあの家、デカすぎでは？どんなお金持ちが住んでいるんだろうか。

「どの子も素敵だけど、一匹選ばないといけないんだ？」

そばで聞いていた母さんが言う。

「まぁ、ゆっくり歩いていきなさい！それじゃ、お母さんまだやることあるから、あとでね」

母さんが家に戻ったのを見て、アオイがくるっと振り向いた。

「よーし、いざ行かん！あの豪邸をめざして！」

足取り軽く、ステップを踏むようにアオイはタタタと家から離れていった。それをニャオハとクワッスが追いかけていく。そこで、あれ、とふと気づく。……一匹、足りない？

「ほげ～」

足元を見ると、ホゲータが自分の足元で呑気にあくびをしていた。そして、ホゲータの瞼がだんだん重そうに降りてくる。

＿＿＿＿＿＿

アオイ→よくステップを踏んだりスキップしたりしている

ハルト→何故か足元にポケモンが集まる

私はラウドボーン族が好き。
この小説のアオイちゃんの性格は確実にむじゃき。