39話 ページ41
固まってしまったAを見ていた一松は、小さく息を吐くと口を開いた。
一松「ごめん、嫌だよね。こんなクズ同然の俺と手を繋ぐなん「あぁー!繋ぎますから!そんなこと言わないで下さい!!」…ん」
慌てて止めに入ったのはいいけど、松野さんってこんなネガティブな発言するなんて…。
そんなことを考えていたら、松野さんが私の手を握ってきた。
ギュッ
「…っ!」
いきなり手を繋がれるから、少しビックリした。
一松「じゃ、行こ」
「は、はい…」
ドクドク…
何か自分の心臓がバクバク鳴ってる!
すごく緊張する…!!
変な汗かいてないかと思いつつ、しっかり握られた手に目を向ける。
松野さんの手は私よりも大きくて、男の人なのに綺麗な手。
それに、松野さんの体温が手に伝わってくる。
少し冷たいけど、何故か温かく感じる。
あぁ
ずっと
この時間が続けばいいのに…。
********
だけど、そんな幸せな時はすぐに過ぎた。
いつの間にか自分の住むマンションの前に着いていたのだ。
私が住んでいるマンションは、これといって大きくもないし小さくもない。
この辺では安い方だし大学からも近いし、ここに住んでいるのも理由のひとつだ。
一松「ここ…?」
「あ、はい…」
そう返事するとそっと手が離された。
繋がれていた手にはぬくもりが残っていた。
もっと繋いでいたかった…なんてね。
一松「じゃ、俺はここで…」
「あ、はい!あの、今日は本当にありがとうございました!近いうちにお礼させてください!!」
一松「…いや、別にお礼とかいいよ。この前、カフェに付き合ってくれたし」
「でも…!」
納得しないAに困惑した一松は、ふとあることを思いついた。
一松「じゃあ、今度何処か遊びに行かない?それだったらいいよ」
「え、それでいいんですか?」
一松「うん。それとも俺と出掛けるの嫌?」
「まさか!凄く嬉しいです!!」
Aは嬉しそうに微笑んだ。
一松「…今度こそ俺は帰るね」
「はい!松野さんと出掛けるの楽しみにしてます!」
マンションの前で手を振って見送る彼女を見た一松は、前にそんな風に見送ってくれたことを思い出した。
(あ、また連絡先聞くの忘れた。相当浮かれてるな…俺は)
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……?ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜!!面白いっ!!更新楽しみにしてます!! (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:annku | 作成日時:2015年11月4日 19時