４話 ページ5
一松は机に置かれたジンジャーエールを手に取って飲み始めた。
普段ネコに囲まれる機会なんて滅多にないから此処は凄く落ち着く。
ふと目の前の定員の名札をチラリと見た。
…『渡辺』さんか。
名字しか書かれていない名札から、彼女と目が合った。
すぐに目線を逸らそうとしたが、彼女はにこりと笑顔を見せた。
「まだネコ達に餌あげてないんですけど…よかったら餌あげてみます？」
一松「あ、あぁ」
戸惑いながら返事をすると、すぐにAは餌を取りに向かった。
彼女が餌を取りに行っている間に、黒いネコが一松の足にすり寄ってきた。
一松はそのネコを持ち上げて、膝の上に乗せた。
(このネコの名前は知らないな…)
頭を撫でてみると、ゴロゴロと鳴き出した。
すると、餌を持ってきたAが戻ってくるとネコ達は彼女の方へ寄っていった。
一松の膝の上に乗っているネコに気付くと、優しく微笑んだ。
「その子、人懐っこいんですよ」
一松「だろうね…コイツの名前は？」
「ピーナッツです」
(だからネーミングセンス可笑しいだろ…！)
Aは一松に歩み寄ると、餌を差し出した。
「これが餌なので、あの皿に入れてもらいませんか？」
指差す方向に、どれも可愛らしいものばかりのネコ達専用の皿が置かれていた。
一松は餌を受け取ると、可愛らしいお皿に餌を入れた。
すぐにネコ達はその餌が入ったお皿に群がる。
Aは手を伸ばし、餌を食べているオクラの頭を撫でる。
一松「ネコ…好きなの？」
それを見ていた一松が声をかけた。
「はい！可愛いですよね！それに、相手がネコだと楽といいますか…」
一松「え…」
思いがけない言葉に、一松は声を漏らした。
(もしかしてこの人、俺と似ている…？)
「す、すいません！何か気に障ること言いましたか…？」
一松の反応がおかしい事に気付いたAは、慌てて謝り出した。
一松「いや、俺もネコが相手だと楽でいいし…可愛いよね」
そう言いながら、餌を食べてるネギの頭を優しく撫でた。
ネコが相手なら気楽だし。
他人とは距離を縮めたくない。
友達とかいらないし。
友情とか恋愛とか面倒くさい。
この人と会うまでは、そう思ってた…。
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……？ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (
レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜！！面白いっ！！更新楽しみにしてます！！ (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：annku | 作成日時：2015年11月4日 19時
