35話 ページ37
何故だろう。
さっきまで震えが止まらなかったのに、松野さんに抱き締められてから
自分でも驚くほどに、酷く落ち着く。
凄く暖かい。
(松野さんの匂いがする…)
Aはその匂いに少しだけ口元を緩めた。
しばらくすると、一松は口を開いた。
一松「立てる?」
「は、はい…」
腰を上げて、右手を差し出す一松にAは戸惑いながらも返事を返した。
Aは手を取るとゆっくりと立ち上がったが、足が縺れてふらりとよろめいた。
(倒れる…!)
咄嗟に目を瞑ったが、いつまで経っても痛みはやってこなかった。
「…っ!?」
目を開けると、一松に支えられている状態だった。
Aの背中にしっかりと手が回り、転倒が阻止されていた。
一松「大丈夫?」
「す、すいません…!」
一松「別に気にしてないからいいよ。取り敢えず、ここから離れよう」
松野さんに腕を引っ張られ、路地裏から出ることになったAだったが、恥ずかしそうに口元を隠していた。
気付かれなかった。
ここが暗くて良かった。
だって
私の顔、絶対赤いから…。
*******
路地裏から出ると、一松はAに声をかけた。
一松「家まで送るよ。家どこ?」
「でも、迷惑じゃ…」
首を振って断る彼女に、一松はため息をついた。
一松「迷惑じゃない。それに、またアイツや不審者に襲われたらどうするの?」
「……」
その言葉に、Aは言い返せない様子だ。
一松「とにかく、今日は送ってく。拒否権無しね」
「……分かりました」
Aは渋々頷き、二人が歩き出そうとした。
その時。
?「一松!!?」
後ろから声が聞こえた。
その声に聞き覚えがあった一松は「げっ…」とした表情で固まった。
Aは後ろを振り返ると、一松とそっくりな人物に目を見開いた。
おそ「やっと見つけた…!何処行ってたんだよ!!急に走ったからびっくりした…って隣の女の子誰!?」
松野家の長男…おそ松だった。
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……?ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜!!面白いっ!!更新楽しみにしてます!! (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:annku | 作成日時:2015年11月4日 19時