30話 ページ32
時刻は二十二時。
「ありがとうございました!」
Aは最後のお客さんを店の外で見送った。
そのお客さんは若いカップルで、仲良く手を繋ぎながら帰っていく姿をじっと見つめた。
(恋人、か…)
内心羨ましいと思いつつ、ドアに掛けているプレートを《open》から《close》にひっくり返した。
(そういえば…今日、松野さん来なかったなぁ)
流石にそんなに来るわけないよね。
すると、先程の恋人を自分と松野さんで重ねた。
(もしも、私が松野さんとあんな関係になったら…)
Aはハッとして我に返ると、首を横に振った。
いやいや!それはないって!!
何考えてるの!松野さんが私のことなんて、何とも思っていないのに…!!
でも、何でこんな考えが出てくるの…?
…何だか虚しくなってきた。
Aは小さく息を吐くと、店の中に戻った。
*******
店長「お疲れ様、Aちゃん。そろそろあがる時間だよ」
店長はネコを撫でながら言った。
相変わらず、ネコが大好きですよね。
「あ、もうそんな時間なんですね。でも、まだやることが残っているんですが…」
店長「いいよ。それは俺がやっとくから」
「でも…」
店長はネコを撫でる手を止めずに話を続けた。
店長「夜遅くまで女の子を働かせるほど鬼じゃないから。最近、この辺に不審者が出るって言ってたからな…早めに帰った方がいいよ」
Aは少し迷ったが、渋々頷いて帰る支度を始めた。
……
店長「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
…後ろで店長の叫び声が聞こえた。
またルリに引っ掛かれたんだろう、とネコカフェのエプロンを脱いで、フードつきのパーカーに着替えた。
「お疲れ様でした!」
自分の鞄を持ってドアに向かった。
店長「おう、お疲れ様。気を付けてな」
「はーい」
Aは返事をすると、店を後にした。
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……?ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜!!面白いっ!!更新楽しみにしてます!! (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:annku | 作成日時:2015年11月4日 19時