３話 ページ4
中へと案内された一松は半開きだった目は少し見開いた。
辺りを見回すと、十匹のネコがこちらをチラチラと見ていた。
思わず走って抱きつきたい衝動に駆られたが、ここはぐっと堪えた。
一松「…色んな種類のネコがいるんだな」
「ふふっ、ネコカフェですから」
Aは小さく笑うと、ドリンクのメニューが書かれた紙を一松に差し出した。
「こちらからお好きなお飲み物をお選び下さい」
一松「…あぁ、いくら？」
「お客さまは初めていらっしゃいますので、サービスで最初の一杯は無料です」
そう言うと、一松は「ふーん…」とメニューを眺める。
一松「じゃあ、ジンジャーエールで」
Aは「かしこまりました」とお辞儀をすると、ドリンクを取りに行った。
その背中をじっと見送ると、ネコに目線を向けた。
ネコ同士が戯れていたり、昼寝しているネコもいる。
一松は箱の中に入っていた猫じゃらしを手に取ると、目の前にきたネコの前に揺らし始めた。
ネコは猫じゃらしをじっと見つめるが、そっぽを向いて一松から離れていった。
「あの子、中々人に懐かないんです」
Aが苦々しげに言い放つと、ジンジャーエールを一松の近くに置いた。
彼女の言葉に、一松は少し間を空けて「そうなんだ」と呟く。
一松「…あいつの名前は？」
「ルリです。ルリと遊んでいるネコはリリって言います」
ペルシャのリリはルリを追いかけていく。
一松「全員覚えてるの？」
「勿論です！あの子はネギ、彼処にいるのがオクラ…そして寝ているのがレタスです」
(何で野菜の名前なんだよ！それも緑系じゃん！ネーミングセンスどうなってんの…)
心の中でツッコミを入れる一松の顔は若干引き攣っている。
「で、あのちょっと太ってるのがにんじんです」
(いや、何でここにきて『にんじん』？！そこは緑で統一しろって！！全然にんじんって感じじゃないし…！)
一松は眉を顰めて、にんじんの方に目線を向けた。
「変な名前ですよね。店長がつけたみたいで…」
アハハと笑うAに、一松は口を開いた。
一松「店長のネーミングセンスどうなってんの」
我慢出来なくなったのか、思わず声に出してつっこんでしまった一松だった。
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……？ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (
レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜！！面白いっ！！更新楽しみにしてます！！ (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：annku | 作成日時：2015年11月4日 19時
