23話 ページ25
二人は他愛のない話で盛り上がっていたが、楽しい時間はすぐに経つものだった。
「あ、そろそろ大学の時間ですね」
自分の腕時計を見て呟いたAは、心なしか悲しそうな表情だった。
(もう、そんな時間なのか…)
彼女を見つめていた一松は口を開いた。
一松「あのさ…あの店、また行ってもいいか?」
「勿論です!是非来てください!!」
一松の言葉によっぽど嬉しかったのか、Aは太陽のような笑顔を見せた。
「あ、ちょっと待っててください」
そう言うと、Aは鞄から手帳とペンを取り出すと何かを書き始めた。
一松「…?」
一松はそれを黙って見ていると、書き終わったのかペンを机に置いた。
ビリッ
書いたページを破るとそれを一松に差し出した。
「これ、私がシフトに入ってる曜日です。平日は五時から入っているので、もし暇だったらいつでも来てください」
一松は差し出された紙を受けとると「ん、分かった」と呟いた。
紙を大事そうにポケットの中にしまうと立ち上がった。
一松「…行こうか」
「あ、はい!」
財布を取り出してレジに向かう一松を、Aは慌てて席を立った。
****
店員「合計が八百円でございます」
一松「…」
一松は財布から千円札を差し出そうとしたが、それを慌ててAが止めに入った。
「ここは私が払いますから」
一松「いや、俺が払うからいいよ」
「でも、お金がないって…」
一松「ここで女に払わす程落ちぶれてない」
「え、ちょっ…」
Aの話を聞かずにお金を支払いお釣りを貰うと、Aの腕を引っ張って店を出ていった。
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庵茱(プロフ) - こ、更新されましたか……?ありがとうございます、ずっと待っていました (2018年9月9日 3時) (レス) id: 9d4ec62492 (このIDを非表示/違反報告)
水 - 早く更新してー (2017年6月22日 17時) (レス) id: f2ccda5e36 (このIDを非表示/違反報告)
みみか - あの、、はやく更新して。楽しみだし///変なところで終わらないで・・・・(^∀^#) (2016年9月24日 13時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこふぁ - はああ〜!!面白いっ!!更新楽しみにしてます!! (2016年8月27日 14時) (レス) id: e2cb741d4e (このIDを非表示/違反報告)
しゅみい - めっちゃ面白かったです!!更新楽しみにしています(^^)!! (2016年8月8日 19時) (レス) id: 29d4621366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:annku | 作成日時:2015年11月4日 19時