第299話 ページ15
リベラside
リベラ「もう無理っ...私にはできない...。アリオンを救うなんて、そんなこと、到底私には出来ないのよ...。」
泣き崩れる私の背中を、リニャーノが優しくさする。
ユラス「お前らしくないぞ。ネガティブになって良いことなどひとつもない。ただ次を信じて、信じて練習するしかないんだ。なあ、リベラ。今こうやって嘆いている時間がもったいないとは思わないか?」
リベラ「っ...」
わかってる。
そんなことわかっている。
でも、やっぱり私には出来ると思えない。
ユラス「リベラ。もう1回やってみよう。立て。」
そうやって言ってくれるリニャーノに、体が応えられない。
もう一度やってみようと思う気持ちもあるが、どうしてもどうせダメだという感情が勝る。
こんなことしてるくらいなら...
リベラ「もういっそ、魔力の練習なんかしないで、死ぬ前にしたいこと今のうちにやっといた方が私のためだわ...。」
そういった瞬間
私の背中から感じる気配が変わった。
リベラ「...?」
私は咄嗟に後ろを振り返った。
すると立ち上がって私を見下ろすリニャーノがいた。
彼女から発せられるオーラにはとても恐怖を覚えた。
リベラ「リニャーノ...?」
私がそう声をかけると、リニャーノは私を睨みながら言った。
ユラス「帰るぞ。」
私は自分の目が見開いたのがわかった。
え...?と、私の間抜けな声が漏れる。
リベラ「帰る?」
ユラス「もう諦めるんだろ?死ぬ前にしたいことをしたいんだろ?私はそれもひとつの選択肢だと思うぞ。お前のやりたいようにやればいい。だからほら、立て。帰るぞ。」
低い、小さな声でそう言われた。
ああ、そうか。
誰にでもわかる。
リニャーノは今
怒ってる...
ユラス「何をぐずぐずしている。さっさと帰るぞ。」
彼女はそう言うと、バサッと翼をはためかせた。
今にも飛び立ちそうな勢い。
いつもならリニャーノに抱えてもらうのだが
今は...
ユラス「ほら、来い。」
ごめんなさい、の言葉も出せずに黙って座り込む私に、リニャーノは何度も呼びかける。
ユラス「リベラ。早く。」
ごめんなさい、と言おうとして口を開いても、喉に引っかかって言葉が出てこない。
全く動じない私に呆れたリニャーノは、1度翼を収めて私の元に歩み寄った。
そして今度はリニャーノがしゃがみこみ、私に視線を合わせる。
私は恐る恐るリニャーノの方を見た。
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時