第300話 ページ16
リベラside
ガシッ
リベラ「!?」
私と目を合わせたリニャーノは、突然私の顔を両手で挟んだ。
今の私はきっと滑稽な顔だろう。
とうとう何も言えなくなった私。
ただただ困惑していると、リニャーノが口を開いた。
ユラス「...さっきの発言を、後悔したか。」
さっきの発言とは、私が発した諦めの言葉のこと。
私は顔を挟まれたままうんうんと頷いた。
ユラス「お前は、本当に死ぬつもりなのか。」
私は顔を挟まれたままぶんぶんと顔を横に振った。
...するとリニャーノは私の顔から手をなはして今度は両肩に置き、顔が見えなくなるぐらい下を向いた。
やっと解放された私は、下を向いたままのリニャーノに言う。
リベラ「リニャーノ...ごめんなさい...。」
その声を聞いたリニャーノは、肩をピクリと動かした。
しかし、顔を上げることはなく、ずっと俯いたままでいる。
いっこうに顔を挙げないリニャーノに、私は声をかけた。
リベラ「リニャーノ...?」
すると、私の肩に乗せられていたリニャーノの手に突然力が入り、私の肩を力強く握り始めた。
彼女に今何が起こっているのかわからず困惑を隠せない私は、何も言わないままリニャーノを見つめていた。
すると突然、リニャーノがバッと顔を上げた。
リベラ「っ...!?」
彼女の目には、涙...
初めて見るリニャーノの涙を確認するや否や、彼女は絞り出すような声で言った。
ユラス「頼むから、死ぬなんて言わないでくれ...。」
意外すぎる言葉に、私は戸惑った。
何も返答しないでいると、リニャーノは再び顔を上げ、私の目を捉えながら言った。
ユラス「リベラはわかっていない。お前はいろんな人に愛されているんだ。お前がいなくなったら悲しむ人がこの世にどれだけいると思う?非公開の身といえど、一人の人間として今まで生きてきて、多くの人と関わって、多くの人に愛されてきただろう?落ち着いて思い返せ。お前を愛している人はたくさんいる。私もそのひとりだ。お前は大切なんだ。お前はお前が思っている以上に、みんなに愛されているんだ。」
...そこまで言ったところで、リニャーノはふぅと息をついた。
反応する間も与えず話された言葉に圧された私は、リニャーノの目を見つめたまま硬直した。
数秒沈黙が流れ他た後、彼女はふわっと笑った。
ユラス「キリト殿の元へ、帰るんだろ?」
リベラ「うんっ...」
私はそう言ってリニャーノと共に勢いよく立ち上がった。
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (
レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです！もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか？夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです！ (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います！ 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します！！ 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…！ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております！私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2018年7月1日 7時
