Episode 026:夢野なりのエール ページ32
とうとうアジア予選第2回戦・オーストラリアとの戦いの日がやってきた。
「日本代表の実戦を特等席で観られるとはねぇ。実に面白い」
Aは控えのベンチにゆったりと座りながら、いつものように笑顔でいる。
「相変わらず呑気だな……」
その様子を見かねた万作が困ったように言った。
曲がりなりにもAも代表の一員。ある程度の緊張感は持っていただきたい。
「みんな!俺たちは日本代表だ!」
傍らでは円堂がスタメンの面々を奮い立たせている。
「どんな困難があろうと、勝ち抜いていける力を持っているはずだ!いいかみんな、勝つぞ!」
「はい!」
「おう!」
するとAはおもむろに立ち上がり、
「熱いねぇ守は。……頑張ってくれよ、みんな」
円堂の肩を叩きながら一同にエールを送った。
「夢野!」
「A!うん!」
稲森たちはAからの応援を純粋に受け止める。
が、しかし……
「君たちが醜態でも晒したらトレーナーである俺の面目が立たないからね」
直後の言葉によってそれは打ち砕かれたのであった。
「あはは……」
苦笑いをする稲森に、無垢に笑うA。
「ったく。言っとくが、俺たちはお前のために戦うわけじゃねぇ」
吉良が悪態をつくと、Aは一切笑顔を崩さずに、
「ほー?俺に意見をするとは。吉良くんも大した身分になったものだ」
と言い、吉良に近づく。
「な、んだよ……」
変わらぬAの笑みに少し怖気付く吉良。
一同は「喧嘩か?」と内心焦ったが……
「……頑張りたまえ。君はゴッドストライカーだ」
Aは円堂にしたように吉良の肩を鼓舞するように叩き、こう言った。
「お、おう……」
予想外の言葉に、吉良はそう答える。Aはうん、と頷くとそのまま真っ直ぐベンチへと戻って行った。
「不思議な奴だ」
以前彼と対話をした鬼道は改めてそう思うのであった。
そんな彼らイナズマジャパンに対するは「太陽のサタン」の名を冠するオーストラリア。
「太陽のサタンか。所詮は地球の悪魔だろ?宇宙から来訪した偉大なるクトゥルー様を擁する日本に、勝てるのかね」
Aは勝算を見出すように相手選手を凝視する。
すると視線に気づいたのか、サル・ガタナスがアス・タロトとキャプテンのサタン・ゴールに耳打ちする。
「サタン様!あの夢野Aがいます!噂は本当だったんですねェ!」
「一度フィールドに立てば何をしでかすか予測不能。奴が出る前に潰すまでです」
真顔だったサタンはAと目が合った拍子に、
「夢野……ヒヒ……」
狂った笑みを向けるのであった。
(首の向きは左……)
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いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» 今見ました!申し訳ありません、なぜか夢野くんのイラストは表示されず見れませんでした…(;_;)でも琴平くんは見れました!やばいです!かっこいいい!!!まさか琴平も描いて頂けるとは感激です!!ありがとうございました!! (2018年11月13日 19時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - 描けました!是非っ!! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» ま、マジですかっ?!お恥ずかしい…では、喜んで描かせていただきますね! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» ええええ!?本当ですか!?嬉しいです!実は以前ハニトンさんのイラスト集を拝見させて頂いておりまして、上手だなぁ…と密かに思ってたんです!ぜひぜひ描いてください、こちらこそお願いします! (2018年11月13日 18時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» 一応wまたまた質問なのですがいづう様の作品の男主さんを描かせていただいてもよろしいでしょうか…?イケメンすぎてほんと辛いんす! (2018年11月13日 17時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
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