D.gray-manー2人で歩く道② (ページ3)

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積極的な彼女② ページ3

アレンの首に腕を絡め、色っぽく微笑んでいるAの顔が至近距離にある。
顔を熱くしながらも、アレンは違和感を感じていた。

ア(か、顔が近い…！A、いつもと違いすぎる…一体どうして…)

ふと、彼女の顔に浮かぶ表情に心当たりがあるような気がした。
色気を纏ってはいるが、少しからかっているようにも見える…この表情…

『…んんっ』

今にも唇が重なりそうな距離になっていたが、それはアレンの右手によって封じられた。
Aの両頬を強く掴み、彼は少し怒った表情で口を開く。

ア「フォーですね？こんな悪戯して何が楽しいんですか」

フォ『…はあ、やっと気づいたのかよ。あんなに顔真っ赤にしてたくせして』

そう、彼の前にいるのはAの姿に変身したフォーだったのだ。
彼女の姿のまま、またからかうようにアレンの腰に腕を回す。

フォ『俺の演技、なかなかだったろ？ウォーカーもこういうの好きなんだな』

ア「何言って…！！いい加減離れてください！」

『アレンくん？…と…私…？』

そう言い彼女を離そうとした時、彼の視界にもう1人Aの姿が見えた。

ア「A…！？…どうしてここに…」

『支部に取りに行きたい物があって。…その子はフォーちゃん？私の姿で何してるの…2人で』

そう、今のAには、アレンにAそっくりのフォーが抱き付いている所を見せつけられているのだ。

ア「こっこれは違うんです！フォーがからかってきて…」

フォ「ちっ、見つかっちったか。気まぐれでウォーカーに悪戯してやってただけだよ。A、またな」

『ふぉ、フォーちゃん…！？』
ア「ちょっとフォー！？」

2人の叫びも虚しく、元の姿に戻ったフォーはどこかへと消えていった。

廊下にはアレンとAの2人が微妙な表情で残される。

『…ごめんね、お邪魔しちゃって』

ア「ちょ、ちょっとA！！それじゃまるで僕が浮気してたみたいじゃないですか…」

『ふふっ、ごめんごめん。にしてもフォーちゃんたら。自分がアレンくんと仲良くしてる所見るの、なんだか不思議だったなあ』

ア「すみません…変な所をお見せして」

『ううん。…でもフォーちゃんが変身した私、凄く色っぽかったね。アレンくん、ああいうの好きなの？』

ア「え〝、そういうわけじゃ…」

『そうなの？』

ア「ちょ、団服のボタン外しちゃダメです！！」

この事件以降、Aは色気を意識するようになり、アレンは困惑したのであった。