D.gray-manー2人で歩く道 (ページ17)

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あの日の彼女はページ17

ーーAとラビがドア越しに会話をしてから2日が経った。

あの日の翌日の時点で、彼女が部屋に引きこもることはなくなり、特に変化もなく今まで通り過ごしてきている様子である。

ただ一つ、変わったことがあるとすればーー

団員「Aさん、おはようございます！」

『おはよう！今日も頑張りましょうね～！』

ラ「…あ、」

『…』

ラ「おはよ、Aちゃん」

『…』

彼とだけは、口を聞かなくなったことである。

ラビが何事もないように笑顔で声をかけても、挨拶をしても、彼女は顔すら向けず、返事をしないのだ。

その時のAの表情はただただ、冷たい。
こんな彼女もまた初めてであった。

ラ(…やっぱり、か…ちゃんと謝りたくても、こんな状態じゃ何もできねぇな)

？「…い、…おい！」

ラ「！？！？…なんだジジイか」

ブ「何回呼ばせるのかこの糞ガキが！！…お前、Aに何かしたのか？」

ラ「別に何も…ジジイには関係ないさ。」

ーーあの日の任務帰り、ブックマンとラビは任務中に色々ともめることがあったのだが、結局今はすっかり通常に戻っている。

ブ「それならいいのだが。…あやつ、ワシとお前が機嫌悪くして任務から帰って来たことに疑問を抱いていたようでな」

ラ「…！」

ブ「わざわざワシがいる所まで駆けつけて来て、ラビと何かあったのか、と聞いてきたんじゃよ。…それもかなり真剣な表情でな」

ラ「ーーまじ、か…」

ブ「…一応そのまま話しておいたがな。…彼女は、相当お前のことを気にかけているようじゃった」

ラ「…」

ブ「ーー忘れるなよ、我々の1番の目的をな。」

ラ「…わかってるよ、ジジイ」

そう言うと、ブックマンはその場を去っていった。

ラ(…まさか、あの後……ジジイの所に行ってたとはな…)

ーーわざわざ、どうして。

あれだけ冷たい言葉を浴びせたにも関わらず、彼女は彼の心配をしていたという訳なのだ。

ラ(ほんとに……あの子は……)

「…やっぱりちゃんと、話さないとな…」

若干笑みを浮かべながら、彼はポツリと呟いた。