兄からの助言 ページ18
バ「ーー君がこんな所に来るなんて、随分と珍しいな。」
アジア支部の支部長室を突如訪ねてきたのは、眼帯をした赤髪の青年だった。
見慣れぬ来客に少々戸惑った表情で、バクは何の用かね、と彼に問う。
ラ「こう見えて、ちゃんと用件はあるんさ〜。コムイに頼まれててさ。…それと、」
バ「?」
ラ「…あんたの妹のことで聞きたいことがあってさ」
バ「!」
〜〜
ラビは、バクに彼女と色々と揉めてしまったことを詳しく話した。
バ「ーーそうか…あいつにしては珍しいな」
ラ「何が?」
バ「俺以外の人間ともめることが だ。誰かに怒るなんてこと滅多にないからな…」
ラ「そうなんか…」
バ「今回の件も、君に対して腹は立てているのだろうが、きっと自分を攻めているのだろうな」
ラ「ドア越しに話した時、そんな感じだった。…正直言って、悪いのは圧倒的に俺だからさ。Aちゃんが自分を攻める必要なんてねぇのにな」
バ「…君は、あいつとちゃんと向き合おうとしているのか?」
ーー突然真面目な面持ちで投げかけられた疑問に、ラビは余裕そうに微笑んで答えた。
ラ「…もちろん。」
バ「あいつは鈍感だが、変なところは頗る鋭いぞ。…特に、仲間のこととなるとな。」
ラ「…」
バ「君はブックマンだから、きっと仲間に肩入れしすぎないように意識してるんだろうが…Aが腹をたてているのもそれが原因なんだと、俺は思うよ。」
ラ「!!」
バ「…まああくまでも、俺の憶測だがな。結局はあいつに直接聞いてみないとわからない」
ラ「つっても、全く口を聞いてくれないんだったらねえ」
バ「…それにも、ちゃんと理由があるはずだ。
ーーラビ、あいつはな、仲間とは常に、ちゃんと向き合いたいと本気で考えている奴なんだ。君もそれは知っているんじゃないのか?」
ラ「…」
バ「…変に距離を置こうとしてる奴とは、口を聞きたくないだろうな。
…だとしたら、やることは決まっているだろう」
ラ「…なるほどな。流石は兄貴さね」
いつものように笑いながら、ラビは席を立って部屋の扉まで歩き始めた。
バ「頼んだぞ、あいつのこと」
ラ「…それ、言う相手間違ってないさ?」
バ「いや、俺は君のことも信頼してるんだ。あいつにとって大きな存在だと思ってる」
ラ「…そ。…色々と助言、ありがとうさ。取り敢えず、動いてみるさ。」
バ「ああ。」
そうして、彼は部屋から出て行った。
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時