余計なお世話 ページ14
『…あれっ、ブックマンさん』
ある日 廊下を歩いていると、向かい側からただならぬ雰囲気を纏った老人が歩いて来るのが見えた。
任務帰りだろうか、額には包帯が巻かれている。
他の箇所にも治療が施されているのが見えた。
ブ「おお、Aか。何だか久しいな」
『そうですね〜、お互い任務続きだったのが大きいんでしょう。ラビくんと2人で長い間転々としていたらしいですね!』
ラビ、という名を耳にした途端、ブックマンの眉間がぴくりと動いた。
ブ「まあな。…あの小僧、毎回足を引っ張るもんだからのう。…いらんことまでしおって」
『…?』
ブ「Aも体に障らぬように気をつけるんじゃぞ。お主は教団にとって大事な戦力じゃからな。」
『はい。ブックマンさんもしっかりお休みになられて下さい!』
ブックマンとそんな挨拶を交わして、別れる。
『…ブックマンさん、随分とお疲れみたいだったなあ…』
(…あれ、そしたらラビくんはどこにいるんだろ?任務帰りも大抵ブックマンさんと一緒にいるのに…)
まだ方舟にいたりするのだろうか、と少し気になったので、軽く方舟の部屋まで足を運ぶことにした。
〜〜
『…あっ!』
部屋に入ると、遠くにある方舟の前に赤髪の少年が立っているのが見えた。
それがラビだと分かると、Aはすぐに彼の元に駆け寄った。
『ラビくん!おかえりなさい!』
ラ「Aちゃん…!…ん、ただいま。」
いつもの気さくな返事とは程遠かった。
顔は笑ってるけれど、明らかに疲れきっていて活力を感じられない。
『…どうしたの…?怪我、痛むの?』
心配そうに彼の顔を覗き込むも、すぐに顔を逸らされてしまった。
ラ「…別に、いつも通りさ…」
『ううん、明らかに元気ないよ。ブックマンさんも心配して…』
彼の肩に手を置こうとすると、勢いよく手ではねのけられた。
彼はこちらを鋭く睨みながら、低い声で静かに言い放った。
ラ「うるっせえな、関係ねえだろ。ほっといてくれよ…!」
『!』
こんな彼は初めてで。何も返せなかった。
自分の放った言葉に戸惑ったような表情をしたが、彼はすぐにその場を離れようと動いた。
ラ「…余計なお世話さ。関わってこなくていいから。」
それだけ言い残すと、ラビは部屋を出ていった。
ーーAは顔をうつむかせたまま、しばらくの間1人で立ち尽くしていた。
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時